2015-04-30(Thu)

4.30 昼休み展開

4月は本当に多くの闘いをやり抜きました。キャンパスに熱を還元するべく、4月30日昼休み、4・28沖縄反戦デー闘争を中心に情勢を報告しました。
写真 5
「国会には行けないが、学生運動はもっとやってほしい」「TOEFL受験強制反対にはどういう意味があるのか」など、多くの人が足を止め、たくさん議論になりました。TOEFLなどのグローバル教育については同学会パンフにも書いていますし、4月18日のTOEFL-ITP受験日には200枚以上見解を書いたビラが撒けたこともあり、どう捉えるか学生の間で議論が始まっているようです。
写真 1

また、この昼展開をもって自治会選挙への火蓋は切って落とされました。詳しい日程、選挙の方法などは5月2日の同学会運営会議(17時~熊野寮食堂)で決めますが、今のところ5月13日(水)までを目途に、2015年度の自治会執行部の立候補受付を行う予定です。

立候補される方は、早めに「自分は学生の権利を守る為に何を為すべきか」について、考えておいて下さい。

中執委員長 大森
2015-04-30(Thu)

4.28闘争報告

4月28日、日米新ガイドラインの締結や辺野古新基地建設推進を確認した安倍・オバマの戦争会談に、沖縄と本土を貫く、巨大な怒りが叩きつけられました。
 闘う京大生と同学会中執は東京で行われた全国学生の「4・28沖縄デー」一日行動(法大デモ&国会デモ)に参加しました。
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(法大前)

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(国会前)

 法政大学田中優子総長は学生がデモに出るのを妨害するために「安全確保」と称して大学の門を封鎖! 公安警察や弾圧職員を配置して弾圧してきました。大学が安倍政権の最悪の協力者となっている姿が明らかになりました。
 しかし、お昼休みに法大文化連盟の仲間や全国の仲間が法大生に「デモに行こう」と呼びかけると、法大生は大注目。門の封鎖をうち破ってデモに出ました。夕方には、労働者も合流し、新橋駅から国会議事堂へ二度目のデモ。多くの人びとの注目を浴び、国会前座り込みでは全国の学生が次々に安倍政権を弾劾しました。
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 同日、沖縄県庁前には雨天にもかかわらず、県内外から2500人が集まりました。「4・28」が63年前に沖縄が本土から切り離された「屈辱の日」であることから、発言者は安倍とオバマが進める問答無用の基地建設を「新たな屈辱だ」と弾劾。他方、全国世論調査でも辺野古反対派が多数になっていることが拍手で確認され、「米軍の新基地は造らせない」との集会宣言が採択されました。最後に、5・17県民総決起大会の大成功に向けて「怒りの1ヶ月行動」を闘おうと方針提起がなされ、「沖縄を戦争の拠点にするな」「安倍退陣」と訴えて国際通りをデモしました。
 次は5・15~18沖縄闘争です。京大からも参加し、全国の仲間と連帯して安倍の戦争をとめよう!

中執 大森
2015-04-26(Sun)

この間の京大情勢

4月16日に行われた情報公開連絡会で新たに明らかになったことも含め、以下3点報告します。
追及の中で京都大学の多くの矛盾が暴かれ、闘いの方向性がはっきりしてきています。


①経営協議会に小島啓二(日立製作所)
4月1日から経営協議会に日立製作所の小島啓二氏が入っている。国立大学法人法改定によって経営協議会の人数を27人以上、そのうち過半数を学外委員とすることが定められた。大学の説明によれば「山極総長体制になってから産業界の委員が2名しかいなかったので、産業界から1人入ってもらうことにした」ということである。日立製作所は原発や軍事産業を積極的に推進している。このことを連絡会で追及しても、大学側は「見解がない」とのこと。軍事研究自体に対する見解もないことは前々回の連絡会でわかっている。
産官学連携の「国際科学イノベーション棟」が完成(本部構内)した現在、ますます産学連携が進められていくことが明らかだが、資金をとるためだけが目的で、その社会的な責任を取るつもりはないのではないか。

②iPSについて大学と武田薬品工業が共同研究
前述の産学連携の一形態。大学全体の予算が削減される中で競争的資金や企業からの献金寄付による以外に研究が困難になっている。またその資金を得るために、資金を得やすい研究・成果のはっきりした研究を行う傾向がある(年俸制も成果主義でありその傾向を助長しかねない)。
そしてこの件によって産学連携がますます喧伝され、大学の民営化が推し進められている。
※武田薬品工業は京都大学iPS細胞研究所との連携で、研究開発の効率が上がることを期待する。iPS細胞の発見者で、ノーベル賞受賞者である山中伸弥CiRA所長が研究全体を指揮。武田は10年間で200億円の研究費用の提供と研究の運営に対する助言を行い、神奈川県藤沢市の湘南研究所内の研究設備を提供する。


③運営費交付金
運営費交付金は国立大学にとって唯一の安定財源である。京大ではこれが10年で100億円減らされている(競争的資金を入れれば全体で予算は増えている)。結果、産学連携がますます進められる。また、教職員の賃下げ、最賃以下の清掃労働などが生じている。

※運営費交付金について文科省が三つの区分を設けた。地域活性、特定分野、世界最高水準研究の区分。京大当局は「世界最高水準の大学として名乗りを上げる」(杉万)。

 安定財源が切り捨てられ外部資金がもてはやされる現状は、政府や資本に対する闘いが徹底的につぶされてきたことの現れである。国立大学法人化のときには多くの学生や教員が反対を表明したが強行された。その後の運営費交付金の削減への対応が「限界に来ている」という大学が多いにもかかわらず、大学の類型化が狙われているのもそうである。教職員の賃下げも行われた。制度的には去年の法人法改定で教授会の権限は教育研究に関するこまごましたことにだけに限定された。このように学生自治会や教授会、職員組合を解体しながら産学連携が進められている。

●まとめ
 杉万副学長はじめ大学当局は軍事協力や運営費交付金問題について、議論していないかもしくは屈服している。全国的な産学連携の流れの中で大学当局はその政治的立場を失ってしまっている。国立大学法人化は国立大学の運営に国の意思を反映させる目的で行われたものであるため、その法人化のさらなる進展は必ず戦争まで行き着く。現実に大学を取り巻く存在(学生・教職員・地域など)に強烈な分断が持ち込まれている。
 これに対して学生は当局の立場を追及すると同時に、学生自治会の建設を進めていくべきだ。


京都大学全学自治会同学会
中央執行委員会
dougakukai.kyoto@gmail.com
http://dougakukai.blog.fc2.com/
2015-04-26(Sun)

杉並区議戦中に起きた出来事

杉並区議選はすさまじい情勢の中で行われました。
前提的に、沖縄では全基地撤去・安倍退陣要求にいたる、島ぐるみの闘争が起こっています。
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(3月21日、「止めよう辺野古新基地建設! 美ら海を守ろう! 県民集会・海上行動」(主催:止めよう辺野古新基地建設実行委員会)が名護市大浦湾に面する瀬嵩の浜で3900名の大結集で開催された)

 それに連帯する形で国家公務員も立ち上がっています。沖縄県内の政府出先機関に勤める国家公務員労組の約120人が4月23日、那覇市で集会を開き、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に反対する市民への24時間の監視態勢は過剰だとして、中止するよう内閣府沖縄総合事務局に文書で申し入れました。
 
 移設予定地に隣接する米軍キャンプ・シュワブ付近では反対派市民が1月中旬からテントを設営し、沖縄総合事務局北部国道事務所(名護市)が監視を継続。テントを撤去するよう2月から繰り返し要求しています。
 集会に参加した北部国道事務所の仲原悟さんは「重要なのは強権的なやり方ではなく、対話による解決だ」と訴えました。
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(4月23日東京新聞)

他方、隣国韓国では4月24日、労働組合「民主労総」が4大要求▼労働市場構造改悪の中断▼最低賃金1万ウォン(約1100円)争奪▼公的年金の強化および公務員年金改悪の中断▼勤労基準法の全面適用および労働組合法の改正を掲げ、27万人の労働者・学生がゼネラルストライキに⽴ち上がりました。
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(民主労総蔚山闘争本部は24日午後2時、大和江駅広場でゼネスト蔚山大会を開いた。[出処:蔚山ジャーナル ヨン・ソンノク記者])

韓国のパク・クネ大統領は就任以来、「命よりも金儲け」の戦争政策を進めてきました。米韓合同軍事演習とセウォル号事故がその象徴です。「パク政権打倒」を掲げる今回のストライキは、世界各国の政府が戦争政策を進める中、「自分の国の政府を倒す」ことで戦争を止めようという、労働者の国際的な団結にかけた闘いです。

4月24日には日本の地、杉並で、ゼネスト連帯行動が闘われました。
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(阿佐ヶ谷南口に100人 北島候補が杉並に闘いの拠点を作ろうと訴える)


京都大学の学生もこれに続き、4.28‐6.15 国会デモに⽴ち上がりましょう!

中執 大森
2015-04-20(Mon)

学習会へのメッセージ

同学会の研究部会(学習会)が4月21日19時から、熊野寮食堂であります。
運営側からのメッセージを紹介します。


2015年度の京都大学新入生の皆さん、入学おめでとうございます。これから、大学生活を送ることになると思いますが、皆さんはどのような大学生活を送りたいですか。漫然と授業に出て、サークル活動に興じる学生がほとんどだと思います。大学の実態は、「(学生という)原材料を仕入れて商品に加工し、卒業証書という保証書をつけて企業に送り出す」(首都大学東京・高橋宏)という、就職予備校に他なりません。 しかしながら、私たちが生きる時代は、戦争か革命かの二者択一です。

ウクライナ内戦やイラク・シリア戦争、イエメンでの戦争が巻き起こっています。それに呼応し、アベ政権は、集団的自衛権行使容認の閣議決定を切り口に矢継ぎ早に戦争立法に踏み込んでいます。他方で、戦争が巻き起こる時代であっても、それ以上に、革命を求める人々は絶えません。世界各地で起こる、ストライキ・デモの嵐、とりわけ韓国・民主労総のゼネラルストライキは、国際連帯で戦争を止める、自国政府打倒を明示に掲げています。 

日本でも同じく、革命を求める人々が多くいます。

アベ政権の戦争政策に怒り、隣で働く仲間の首切りに怒る労働者、大学で進む戦争協力に怒る学生が多く存在します。

今春闘では、巨大企業のベアのみがマスコミで取り挙げられていますが、圧倒的大多数の労働者には、無縁の話です。この官製春闘を打ち破って、階級的労働運動派・動労千葉労働運動派がストライキで春闘を闘っています。この労働者の団結した力のみが、この社会のありとあらゆる矛盾をなくすことができます。私たちは、この労働者・学生・農民などの団結した力で、戦争や原発再稼働に突き進むいまの支配階級の打倒を目指しています。 

マルクス主義学習会を、革命に向けた理論武装として、新入生の皆さんや在校生と勝ち取りたいと考えています。しかし、私の経験上、知識人や京大生は絶望し易い。あきらめ上手、単なる皮肉屋や傍観者になりがちです。いまの時代状況に正対するのを避けてたこつぼに潜る。そればかりか、国家権力や大学当局の手先になって、勝ち組に残ろうとさえする。

 しかし、絶望する前に、「この社会はこのままで良いのか」「アベ政権の戦争政策は間違ってはいなか」「つまらない大学を変えたい」という経験を経るのが通常だと思います。

ただ、「隣の学生は何も考えていない」「決起しない」「親が反対する」
「活動やっていて就職できるか」という壁にぶち当たり、絶望し世捨て人になるか、この社会になんとか順応し生きる途を探し回った挙句、病気になる例が多いです。私自身も、そういう学生を数多く見てきました。 

学生がこの社会の根底的変革をかけて決起することは、たしかに大変なことです。しかし、ひとりの学生の決起が情勢を揺さぶることがあります。昨年の京大での京都府警警備2課井上祐介(京都府向日市在住)摘発事件はそのことを如実に示しています。

一人の学生が、仲間への弾圧に怒り、公安警察・井上のスパイ活動に怒り、決起したことが、連日連夜ブルジョア・マスコミ・大学当局・スタ-リン主義者を激震させたのです。 

社会を変える力は、私たち労働者・学生にあります。マルクス主義学習会の中で、そのことを強固に確認し、実践へと結びつける中で、大方の学生が絶望し、団結に依拠せず、社会変革を考えもしない、現状を打破できます。隣の学生は、必ず決起する。

いま、ビラを受け取りもしない学生も決起する。その決起を強烈に喚起し、全社会的なものとすることが求められています。マルクス主義学習の中でその確信を深めていきましょう。
2015-04-20(Mon)

21日は学習会


ビラでまいて来ましたが、21日19時から熊野寮食堂で学習会を行います。以下趣旨文


昨年夏から京大同学会は「大学の戦争協力阻止」を掲げて議論・行動を重ねてきました。その中で、11 月 4 日にはキャンパス内に侵入していた公安刑事を追放する大勝利を切り開きました。これは、戦時下の治 安弾圧の先駆けとして、戦争に反対する学生を監視する攻撃を跳ね返したという大きな意義を持っています。 同学会=学生自治会で団結すれば、それは安倍政権の戦争政治を止める大きな力になります。今こそ学生が 未来を語る時です! 大いに議論し、どうやったら今の閉塞した社会を変えられるか、共に考えましょう!

安倍政権の戦争政治を阻止しよう!
安倍政権は昨年7月1日に集団的自衛権容認の閣議決定を行いました。そしてこれを切っ先に、ものすご い勢いで戦争・戦時下体制に突き進んでいます。安倍は中東訪問の時に「『イスラム国』と戦う周辺諸国に 2 億ドルの支援を行う」と宣戦布告し、1 月 20 日人質事件後は「テロとの戦い」を叫んで有志連合の中心に 躍り出ました。そして今、沖縄辺野古新基地建設、戦後 70 年談話、日米安保ガイドライン改定、今国会で の安保法制の一括採決、来年の改憲発議と矢継ぎ早に政策を打ち出しています。これによって何が変わるの か、今何が始まっているのか、何が狙いなのか。学習会ではこれらを世界情勢から具体的に暴いていきます。

今安倍政権が行っていることは、戦後の「平和憲法・平和国家」という考え方をすべて破壊し、「国の存 立のため」なら戦争でも何でもできるようにするということです。これをどうやって止めればいいか。今私 たちは何をなすべきか。その答えはマルクス主義にあります。マルクスは「労働者階級だけが真に革命的な 階級である」「万国の労働者団結せよ!」と宣言しました。本当に社会を変える力は、政治家でも資本家で もなく、膨大な労働者民衆の団結した行動にこそ存在します。すでに韓国では政府打倒を掲げて百万人規模 のゼネラル・ストライキを構えています。戦争に向かう資本主義社会の矛盾をしっかりととらえ、自分たち の持っている力を確信し、絶望を希望に変えて社会を変革するために、マルクス主義を学習しよう!
2015-04-20(Mon)

選挙応援@東京

東京で闘いの前哨戦です。
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作部くんが沖縄人民の怒り、韓国人民の怒りと団結して、東アジア戦争に突き進む政権を倒そうと呼びかけ、反戦の団結を作っています。詳しくはまた報告します。
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4.28には今年4度目の辺野古大規模集会があります。
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4月24日にはパククネ政権の人民への抑圧、戦争政治への怒りが爆発し、大規模な蜂起になるそうです。

京大生は、4.28国会へ!
2015-04-17(Fri)

大学を巡る情勢 抜粋

日本は、敗戦直後から学生を中心に凄まじい反戦運動が起こりました。「2度と大学を戦争協力させない」その力強い歴史を背負っているので、大学の総長が建前ではありますが、戦争に反対する言辞を述べることが多いです。しかし、あくまで建前です。戦争を止める力を持っている学生、労働者に対する政府の攻撃には反対しません。むしろ最先頭で諦めを組織し、団結を解体するように動くのが、大学総長です。学生は、政府の言いなりで積極的に進められる大学改革と、真っ向対決しよう。

■大学総長 卒業生に平和への思い
『しんぶん赤旗』 2015年4月3日(金)
 新年度になり、街なかや電車などで、フレッシュな姿を見かけますが、この人たちを送り出した大学の卒業式での祝辞には、熱い思いが込められていました。いくつかを紹介すると―。
*「悲劇なぜ」見つめて
 「今年は、戦後70年という特別な年です」とのべた法政大学の田中優子総長は、同大が、卒業生在学中に「学徒出陣」をテーマにしたシンポジウムと展覧会を開催したことにふれ、「戦争中は学校が閉鎖され、大学生は兵士としてかり出されました。総長である私が、『お国のため』と称してあなたがたを戦場に送ることを想像してみてください。それは現実に起こったのです」と話しました。
 田中氏は、「若者に過酷な道を歩ませた責任の重みを忘れることなく、この悲劇をもたらしたものをしっかりと見つめる」と誓った前総長の「平和の誓い」を受け継ぎ、次の総長に手渡すと決意を表明。「自分だけでなく社会全体の理想の未来を思い描き、それに向かって日々の仕事を全うすること」を呼びかけました。
*「裸の王様」になるな
京都大学の山極壽一総長は、「忘れてはならないことは、自分と考えの違う人の意見をしっかりと聞くことです。しかも複数の人の意見を踏まえ、直面している課題に最終的に自分の判断を下して立ち向かうことが必要です」と強調。「自分を支持してくる人の意見ばかりを聞いていれば、やがては裸の王様になって判断は鈍ります」と注意を促しました。
*改憲の動きに警告
 「安倍首相の憲法改正の意欲は並々ならぬものがありまして」と改憲の動きに警告を発したのは、同志社の大谷實総長です。
 自民党の憲法草案が憲法に規定された「個人の尊重」という文言は改められて、「人の尊重」となっているのは、「個人主義を助長してきた嫌いがあるので改める」というものだとして、「これまで明確に否定されてきた全体主義への転換を目指している」と強調。「個人主義こそ民主主義、人権主義、平和主義を支える原点」「遅かれ早かれ憲法改正問題に直面することと存じますが、熟慮に熟慮を重ねて、最終的に判断していただきたい」と要望しています。

■ブラックバイト対策、初の試み――大学単位の労組結成
  『週刊金曜日』編集部 2015年04月03日 18:34

■任期付き雇用教員、1・6倍…東大など11大学
『読売オンライン』 2015年04月02日 17時28分
 東京大や早稲田大など、国内の研究を先導する11大学で、2007年度に7255人いた任期付き雇用の教員が13年度に1・6倍の1万1541人に増えていたことが文部科学省の調査で分かった。
 調査結果を分析した文科省科学技術・学術政策研究所は「外部から獲得する研究資金を財源にした雇用が増え、雇用状況が不安定になっていることを裏づけている」と説明している。
 対象は研究活動が盛んな大学で構成する「学術研究懇談会」に参加する11大学。65歳以下の教員について、13年度と07年度を比較した。
 07年度に11大学全体で2万6559人の教員が在籍、うち27%に当たる7255人が任期付きだった。13年度には教員の総数は1・1倍の2万9421人に増加。任期なし教員は7%減って1万7876人になったが、任期付きは1・6倍の1万1541人に、全体に占める割合は39%に増えていた。
 任期付き教員のうち、45歳未満が07、13年度とも約7割を占めており、同研究所は「若手研究者が特に安定した職を得られない現状がある」と分析している。

■東大・京大など86国立大学の中期目標…文科省
  『リセマム』 2015年4月2日(木) 16時45分
 文部科学省は4月1日、各国立大学の中期目標・中期計画を公表した。平成27年3月現在、全国86の国立大学が提示した「教育目標」「研究目標」「社会との関係」「運営」などについて掲載している。
 教育の国際化に関する目標と計画についてみていくと、東京大学は、優秀な外国人留学生を集める体制を整備すると同時に、英語で学位を取ることができる教育プログラムを整備し、外国人留学生数を増加させるようだ。また、意欲と能力のある学生が在学中に国際的な体験活動をすることができるよう、学事歴の見直しを図るとしている。
 京都大学は、学部・研究科等の特性に応じて、海外の大学との単位互換制度や共同教育プログラムを導入するなど、学生海外派遣や留学生の受入れを推進することなどを掲げている。
 東北大学は、海外留学体験学生を拡大するため、入学前海外研修プログラム、スタディアブロードプログラム、協定校交換留学プログラム、研究方海外研さんプログラムなどを実施する。また、受入れ留学生の増加を促進するため、留学生の受入れ環境の整備を進めるという。
 中期目標・中期計画は大学ごとに掲載されており、文科省Webサイトから閲覧することができる。《工藤めぐみ》

■大学改革:国補助金で促進…淘汰加速も
  『毎日新聞』 2015年03月16日 12時07分
 大学が国主導の「改革競争」の波にさらされている。文部科学省は、世界トップレベルを目指す大学には毎年数億円の資金を集中投入するなど補助金に「メリハリ」をつけて改革を促す動きを強化。大学入試改革でも国が目指す「多面的総合評価」の試験を導入する大学を財政支援する。今後、「改革競争」から脱落した大学の淘汰(とうた)が加速する可能性も指摘されている。【三木陽介】

*最低評価は半減
 「運営費交付金が減る中、補助金を取りにいかないと経営が苦しくなる」。今年度から始まった文科省の補助事業「スーパーグローバル大学」に選ばれた国立大学の担当者はそう打ち明ける。国立大の収入不足を補うために国が出す運営費交付金は減少傾向。同事業は、世界トップレベルの大学やグローバル化を目指す大学に1大学当たり毎年4億〜1億円を10年間投入する異例の厚遇策だ。採択の競争倍率は約3倍だった。
 一方、法科大学院は、司法試験の合格実績が低迷しているため、2015年度から、司法試験の合格状況や改革計画の内容によって補助金額を決める仕組みを導入。最も増額されるのは堅調な実績を誇る早稲田大で1・35倍増に。「最低評価」を受けた7校は半減されるため、募集停止や統廃合が加速するのは必至だ。
 今年度から始まった「大学教育再生加速プログラム」事業では、入試改革や「課題解決型授業」促進など五つの改革テーマごとに補助金を支給する。採択されると、最長で5年間補助金が受けられる。
 入試改革部門には8校から申請があり、お茶の水女子大(東京都)、岡山大、追手門学院大(大阪府)の3校が採択された。補助額は1校当たり年間約2000万円。文科省は、ペーパー試験の高得点者から順に合格者を決める「1点刻み」式から、面接や討論を活用した「多面的総合評価」式への転換を目指しており、入試改革を加速させるため補助制度創設も検討する。
 大学の実情に詳しい「主体的学び研究所」フェローの倉部史記さんは「国は大学の自主的改革を促してきたが、十分とは言えなかった。『体力』が厳しくなった大学の淘汰が進む可能性がある」と話している。

■平成25年度 大学等における産学連携等実施状況について
2014年12月16日 文部科学省
 文部科学省では、産学連携等施策の企画・立案に反映させることを目的として、大学等における産学連携等の実施状況調査を毎年行っています。この度、平成25年度における実施状況を取りまとめましたので公表します。
*結果概要
 1.民間企業からの研究資金等受入額は約695億円と、前年度に比べて約67億円増加し、過去最高額となった。この要因としては、以下のとおり共同研究、特許権実施等収入が大きく増加したことが考えられる。
○民間企業との共同研究費受入額 過去最高額に
民間企業との共同研究の「研究費受入額」は約390億円と、前年度に比べて約49億円増加し、過去最高額となった。また、「研究実施件数」は17,881件となり、前年度に比べて956件増加した。前年度と比べて1億円以上増加した研究機関が複数あったことにより、全体の大幅な増加に結びついている。
○特許権実施等収入額 過去最高額に
「特許権実施等収入額」は約22.1億円と前年度に比べて約6.5億円増加しており、初めて20億円を越えて過去最高額となった。また、「特許権実施等件数」は9,856件となり、前年度に比べて1,048件増加した。前年度と比べて1億円以上増加した研究機関が複数あったことにより、全体の大幅な増加に結びついている。
2015-04-17(Fri)

TOEFL ITP の受験強制反対!

4月18日、一回生にTOEFL受験が強制される。「タダで受けられるからいい」とか「大学が受けろというから」とか思っている人はどうか考えてほしい。どうして必修でない、ましてや授業でさえないものをわざわざ土曜日に受けることを強制されなければならないのだろうか!?

● 大学の基本は「自学自習」
 大学における学問の基本は「自学自習」であり、それは京大も校風として標榜するところだ。だから、大学における授業は出席するかどうか個人の自由だ(単位の取得などで出席しないと不利益を被ることはあるが)。自分の意志で、自分のやりたい学問をするのが大学だ。そのために授業を利用する人もいればそうでない人もいるだろう。そこは自由だ。しかし、今回の TOEFL ITP の受験に関しては話がちがう。学生の学ぶ意志とは関係なしに、当局がこれを受験しなさいというのだ。さも当然のようにこんなことがまかり通っていては、「自学自習」の学風は死ぬ!

●単位を質にとった強制受験!!
 さらに悪質なのは、「TOEFl ITPを受験しない場合には、原則として、1回生後期以降の英語科目の履修登録が認められません」と実施元である国際高等教育院が言っているのである。ほとんどの人が英語科目を履修することを知っていながら、それを脅しのネタに使っているのである。あまりに卑怯である!

● 大学当局の無責任
 このTOEFL強制受験は去年から始まっている。去年と今年に共通した建前として、「学術英語に関する自らの能力を国際比較が可能な形で認識できるようにする」、「今後の英語科目の履修や英語の自学自習を行う際の資料の一つとして活用される」ことが目的とされているが、このような個人的な目的のために単位を質に入れてまで大学から強制される理由にはならない。そして去年の結果をどのように分析して英語教育に生かすのかということも曖昧なままである。つまり大学当局はTOEFL受験に関して全く責任をとれていないのである。
当事者(学生と教員)を交えた交渉の場抜きに、先行きが見えてくることは本来あり得ない。とりあえず始めて、議論する権利を奪い、あとは自己責任など言語道断だ。

● 大学当局の目的 
当局があまりに無責任であることはわかっていただけたと思う。ではなぜ当局がここまで凶暴に、単位を脅しに用いてTOEFLを強制受験させるのか?
それは大学当局が、文科省のスーパーグローバル大学等事業に基づいた「ジャパンゲートウェイ構想」を達成させるためである。この中の教育改革の項で「TOEFL ITP(学部学生の全員受験)」と書いてある。そして改革の特徴を述べるときに堂々と提示される具体的実践が、この卑怯な強制受験の結果達成された「平成26年度学部新入生の97.2% が入学後にTOEFL ITP を受験している」ということなのだ。大学当局にとって学生の教育なんかどうでもよいのである。国際化のための数字さえつくろうことができれば。

● 大学改革の中で
 ではなぜこんなことになったのか?
学生の権利を奪った上での自己責任の風潮は今に始まったことではない。今回の TOEFL ITP 受験の問題は、大きな大学改革の文脈の中で捉えるべきである。授業日数の増加、長期休業の短縮、授業の出席義務化、課題の増加、受講者数の制限、二重登録の禁止、キャップ制の導入など、今日の大学は、学生を授業や課題でがんじがらめにする方向で改革されてきた。そしてそれは、全学自治会、学部自治会、寮自治会など学生自治会への自治破壊攻撃と一体で進められてきた。2000 年代に入りどれほど多くの自治会が廃止されたことか。学生への規制を強化し、授業でがんじがらめにしてきた。学生が主体性に基づいて自由に活動できる環境を破壊してきたのである。首都大学東京理事(当時)の高橋氏は NPO「21 世紀大学経営協会」2005 年度総会で「大学は原材料を仕入れ、加工して製品に仕上げ、卒業証書という保証書をつけ企業へ出す。それが産学連携だ」と発言した。新自由主義改革が進む現在の社会で、大学は企業を利する研究の拠点、企業の求める人材を育成する場として位置づけられている。その結果、学生が自らの意志で学問に取り組む「自学自習」の伝統は、骨抜きにされてきた。

● 学生はもっと主張していい!学生自治会復権し大学を取り戻そう!
 学生は言われたことをやるだけの存在でいいのだろうか? TOEFL 受けなさいといわれて何も言わず受けていていいのだろうか? 断じて否である。学生は自らの頭で考えて自らの意志で勉強する。そうでなければ学問なんてありえないはずだ。学生はもっと自由で良いし、もっと主張していい。そのときに重要なのが学生自治会だ。学生自治会として議論するから、学生総体としての意志を形成でき、学生が大学当局と対等に議論できる。今こそ議論を開始しよう! 今こそ学生自治会を復権しよう!


学生の権利を取り戻す行動は、多分に人民の抑圧への悔しさを体現したものであり、そのほとんどが、圧倒的に正義だ。
(3年前 カナダでは学費値上げ反対の学生運動が、労働者、市民の闘いへの旗頭になり、体制変革の40万人の大デモが起こった)
2015-04-17(Fri)

杉並区議選に立候補した、北島邦彦さんを推薦します。

 私達京大同学会中央執行委員会は今春、統一地方選2015において杉並の地で闘う北島邦彦氏(写真)と共に闘います。かつて数億筆規模の原水爆禁止署名運動の出発点であった反戦反核の地・杉並は、現在安倍政権の改憲賛成運動の矢面に立たされています。町内会の回覧板に改憲賛成署名が挟まれ、同時に、地域の団結の拠点である児童館が民営化され、分断を促進する動きが進んでいます。最も強い反戦の団結を解体することで、戦争に向けた準備を一気に進めようというのが安倍政権の算段です。

 ゆえに、この地で「安倍政権の戦争と原発再稼働を止める」「児童館廃止と民営化を必ず撤回させる」「労働者住民に力あり!一緒に行動しよう」と呼びかける北島氏の闘いは、全国で反戦運動を取り組む学生にとって大きな意義があります。また安倍政権への怒りが沖縄の島ぐるみ闘争を軸に一つになろうとしている中、本選挙戦は沖縄住民と連帯する「本土からの援軍」という一面を持っています。

 全国の学生は私達も含め、64年前沖縄が日本に返還されず世界戦争の出撃基地として規定された「屈辱の日」4.28に、安倍政権を痛撃する国会包囲行動を構えています。その一週間前より行われる杉並選挙は、その前哨戦です。京大生は杉並の地にかけつけ、地域の労働組合の執行部でもある北島邦彦氏と固く結合し、労学連帯で他を圧倒する勝利を切り開きましょう。選挙の応援にかけつけることで首都東京の反戦運動を牽引し、沖縄の怒りに連帯しましょう。そこで育まれた経験、団結は必ず京大内の団結形成に寄与するものと信じています。

北島邦彦氏
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<人物紹介>
▲1959年山口県岩国市生まれ。中央大学法学部卒業。
▲広告会社で労働組合活動スタート。
▲国鉄分割民営化反対に決起し、6年余の獄中闘争。
2007~11年杉並区議会議員として、杉並民営化や「つくる会」教科書採択を進める杉並区政とたたかうと同時に、戦争反対、原発再稼働反対運動、労働組合をよみがえらせる取り組みを行う。
▲現在、東京西部ユニオン副委員長。鈴木コンクリート工業での解雇撤回・職場復帰(2014年)、アメリカンアパレルでの解雇撤回労働委員会勝利命令(今年3月)、郵政非正規ユニオン荻窪局での「スキルダウン」賃下げ撤回などを実現。
▲2014年6月区議補選で4332票を獲得。
▲12 月衆議院選挙を鈴木たつお弁護士とともにたたかう。
▲上荻に給食調理員の妻と暮らす。趣味は映画鑑賞。
2015-04-17(Fri)

沖縄大学学生自治会からのメッセージ(4.28国会へ!)

4月5日、菅官房長官と翁長沖縄県知事が会談し、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐって決裂した。また、安倍首相は8日、米国防長官カーターとの会談で「(同基地の建設を)今後とも確固たる決意のもとで進めていく」と発言した。
 第二次世界大戦で唯一の地上戦を経験した沖縄の、2度と繰り返すまいという「戦争反対・基地撤去」の怒りは我慢の限界に達している。地元紙では毎日一面で基地問題が報道され、反対集会への参加者も膨らみ続けている。
 そもそも、辺野古新基地建設は1996年に計画が発表されて以来、現地沖縄と本土の学生の闘いによって20年間阻止され続けてきた。政権が常に描こうとする「本土の負担を沖縄に押し付け」「国と県の対立」などを乗り越えて、本土と沖縄の学生は団結して戦争と基地建設を止めてきた。この力を今こそ爆発させ、沖大自治会委員長の赤嶺君の呼びかけにこたえ、4.28沖縄デー闘争(東京)、5.15沖縄現地闘争を成功させよう!

以下 沖縄大学学生自治会 委員長 赤嶺千秋君からのメッセージ

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 京大同学会のみなさん、沖大自治会から連帯のメッセージを送ります。
今、沖縄では、4月5日の翁長知事との会談における菅官房長官の発言や態度に怒りが爆発しています。4月28日には県庁前抗議集会と国際通りデモが行れ、5月の県総決起大会は数万人の規模で爆発しようとしています。
菅は、沖縄の辺野古新基地建設反対の圧倒的民意を「わからない」としながら、会談では昨年の仲井真前知事の埋め立て承認と98年の県知事と名護市長の条件付容認の大ペテンで現在の新基地建設強行を正当化しました。「辺野古移設を断念することは普天間の固定化につながる」と恫喝する姿は本当に許せません!

新基地建設阻止の闘いは、戦争のための新基地建設を強行する安倍政権との全面対決になっています。このなかで多くの沖大生が戦争と新基地建設に怒りを燃やし、6・15国会デモの賛同署名や新基地建設反対のメッセージを書き、歴史選択が問われる中で立ち上がるかどうか真剣に悩んでいる学生も出てきています。
沖大自治会はこうした沖大生の怒りに結びつき、4・28沖縄デー闘争は、国会デモと沖縄現地の抗議集会に参加します。多くの沖大生と共に、4・28に決起し「新基地建設阻止・新安保ガイドライン締結阻止」の闘いの先頭に立ちます。
安倍政権への怒りが全国で沸き立つなかで、本土と沖縄の学生が分断を打ち破り、国会デモに立つことは、全社会に波及する巨大なインパクトを持っています。
4・28沖縄デー闘争の爆発を勝ち取り、安倍政権を打倒しましょう!



2015-04-16(Thu)

本日正午より 副学長連絡会(@学務部2階会議室)

クラス討論で各クラスを回っていたところ、昨年度には87クラスあった1回生英語の授業数が、今年度は75クラスにまで削減されていることがわかりました。そのため、1クラスあたりの受講者数の平均も34人から40人に増えています。英語担当の教員数も削減されている可能性があります。今年度から導入されている「学生証による出席チェック」も、少ない教職員でも成り立つように成績評価を単純化するためだと考えられます。京大当局はかねてから「グローバル人材育成」「英語教育強化」などと盛んに言ってきましたが、授業の合理化による人件費の削減を進めているのが実態なのではないでしょうか。
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 一方で、前回の連絡会で「経営協議会」に日立製作所の執行役常務・小島啓二氏が着任したこともわかりました。日立は家電製品メーカーというだけでなく、原発と防衛産業にも携わる国内有数の大企業です。杉万副学長は「大学として軍事研究に対する議論や見解はない」と言っていましたが、このような形で黙認し推進しているのが実態なのではないでしょうか。
 以上について、今回の連絡会で執行部から質問・追及する予定です。お集まりください。
2015-04-16(Thu)

講演会の報告

 4月14日に新歓企画として全学連主催で鈴木達夫弁護士の講演会を「大学を反戦のとりでに」と題して開催しました。
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 留学生や他大生も来て、総勢20名ほどが結集しました。会のはじめには運営の学生から会の趣旨と学生が立ち上がる意義が語られ、会全体の問題意識を鮮明にしました。

 その後、鈴木弁護士が講演を行いました。その学生と鈴木弁護士とに共通するのは「実際に戦争が始まり核戦争まで準備されるという人類史の危機的状況にあって、労働者階級の闘いによって新たな時代を作り上げよう」ということでした。

 講演後の質疑応答では「闘う立場を選択することに日和見になってしまう」という意見がありました。これに対して「自分も逮捕されたとき将来のことを不安になったが、留置所の外から聞こえるデモ隊の声を聞いて団結を感じた。インテリの自分が労働者階級に獲得されていった」と鈴木弁護士。他にも「全共闘時代の有名なスローガン『帝大解体』は拠点をなくしてしまうという矛盾したものではないか」、「農村計画の研究室でドローン(無人機)を購入して研究しようとしているがどう捉えるべきか」、「(他大の)大学当局による一方的な自転車規制に対して運動を始めたいがどうしたらよいか」、「闘う立場を選ぶことに日和見になる。鈴木さんが活動家になったきっかけは何か」という質問が次々と上がり、議論も非常に盛り上がりました。
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 会の最後に司会から方針提起がなされ、4.28沖縄デー闘争や5月沖縄現地闘争、6.15国会包囲デモなど、全国闘争への結集を呼びかけました。
2015-04-13(Mon)

鈴木達夫さん来る!

 明日、4月14日は鈴木達夫さんが京大に来て講演します。
全学連の主催ですが、誰でも参加できます。

【題目】
「大学を反戦の砦に」

【時間】
18:15 開場
18:30 ビデオ上映
18:45 開会・司会挨拶
18:50 鈴木達夫氏講演
19:30 質疑応答
20:00 基調報告
20:20 方針提起
20:30 閉会

【場所】
文学部新館第5講義室(http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_y/
地図上8の建物の2階です。
無題

【講師紹介】
1940年東京生まれ。都立新宿高校時代に生徒会長として原水爆禁止署名運動を展開。東京大学を卒業し、日本放送協会(NHK)に番組制作担当ディレクターとして入局。長崎局に赴任後、日放労(NHKの労働組合)の分会委員長として1968年米原子力空母エンタープライズの佐世保寄港に反対して闘う。また、自身への不当配転に対しても局内でデモ行進をするなど徹底的に闘う。その後、起訴され休職となるも(裁判の末82年に解雇)、自身の解雇を巡る裁判の経験を運動に生かしたいと司法試験に挑戦し、88年に見事合格。以降、反戦反核をつらぬく革命的弁護士(第二東京弁護士会)として闘い続けている。
2014年2月東京都知事選挙、12月衆議院議員選挙に「労働者の新しい政党をつくろう」と訴えて出馬し、健闘。11月の「京大公安警察摘発事件」の際には同学会(中執)の呼びかけに応えて「大学自治と反戦」と題した講演会を開催し、注目を集めた。
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興味ある方は参加して、戦争反対の強い意志を形成しよう!

中執 大森
2015-04-08(Wed)

新歓スケジュールと同学会パンフ

◇新歓スケジュール◇
◆同学会運営会議
―4月10日(金)18:30~吉田食堂前集合
◆副学長情報公開連絡会
―4月16日(木)12:00~学務部棟2階会議室
◆同学会新歓学習会
―4月21日(火)19:00~熊野寮食堂
◆4.28沖縄デー闘争
―4月28日(火) 東京

◇同学会パンフを手に入れよう◇
 同学会執行委員が各クラスの英語の授業の前に「2015年度同学会新歓パンフレット」を配布しに伺うので、1人1冊ずつ受け取ってください。
 今後行われる執行部選挙(5月下旬から6月上旬に予定)やクラス討論を手伝ってくれる「クラス議長」も随時募集しています。興味のある方はdougakukai.kyoto@gmail.comまでご連絡ください。
2015-04-08(Wed)

3月25日 副学長連絡会報告

以下、同学会中執の纐纈副委員長よりの報告です。

副学長連絡会報告

 副学長連絡会は学生担当の副学長が学生に対して情報公開をする場として毎月一回昼休みに行われています。部局長会議や教育研究評議会など、大学内の会議でどのようなことが議論されたかが報告されます。中執はこの連絡会を大学に関する情報収集と当局への追及の場として位置付けています。
前回の連絡会は3月25日に行われました。その学生にかかわる主な内容は、

①経営協議会の人数を25人にし、日立製作所の執行役常務・小島啓二を入れる(これで産業界からは3人となる)。
②産官学連携の拠点となる国際科学イノベーション棟が完成したこと。
③京大の「戦争協力反対」の立場あいまい。軍事研究に対する議論や共通見解なし

の3点です。
①については国立大学法人法が去年に改訂され、今年度から施行されることに伴う人事です。国立大学法人化が2004年に行われて以来、大学運営の基盤となる運営費交付金が毎年減額される中で大学間の競争があおられ、一方ますます企業と接近し、企業からの寄付金や委託研究などが大学内で増えています。そして近年ではそのような企業や国の都合のよい大学改革を促進するために、総長権限が強化されてきています。同時に、経営協議会を通した大学の管理が強まっています。今回の法人法改定の内容も、総長権限の更なる強化と教授会の権限縮小、経営協議会における学外者の数を過半数にするといった内容です。京大の経営協議会に日立製作所の小島氏(下写真)が入ったことも産業界の意思をより強く大学運営に反映させようという意思の表れです。
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②の産官学連携について、先に述べたように現在大学は企業や国の都合のよい機関へと変貌する中で、産官学連携が進められています。その結果として、社会のためになるような研究も生まれる一方で、金儲けになる学問ばかりが重視される現実があります。一番端的な事実がいわゆる「原発マネー」です。京大は原子力産業から33億円の資金提供を受けていたことがわかっています。これは日本最大です 。そして近年、軍事研究が全国の大学で公然と行われるようになりました 。防衛省防衛技術研究本部と大学・研究機関との共同研究は2006年から2012年までの7年間は合計7件でしたが、2013年は4件、そして2014年は7件でした 。大学が利潤を極限まで追求する新自由主義と、他国への侵略を求める帝国主義の中にあって大きく変容しています。原発マネーに代表されるように京大も無縁ではありません。京大に産官学連携の拠点が完成したことはその一つの表れです。現在京大で軍事研究や軍事協力の是非を巡る問題は全く議論されていないことが連絡会で明らかになりました。自らの学問が戦争に利用されること、そして戦争のための研究が強制されることが第二次世界大戦時には実際に起こっています。今現在、その当時に似た情勢に私たちは置かれています。そして問われているのは私たちです。戦争を再び起こさないために、この大学から声を上げて、議論を開始していきましょう。

③については、中央執行委員からの質問に対する副学長の回答によれば、現在京大で軍事研究や軍事協力の是非を巡る問題は全く議論されていないことが明らかになりました。自らの学問が戦争に利用されること、そして戦争のための研究が強制されることが第二次世界大戦時には実際に起こっています。今現在、その当時に似た情勢に私たちは置かれています。そして問われているのは私たちです。戦争を再び起こさないために、この大学から声を上げて、議論を開始していきましょう。
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次回は4月16日12時から学務部2階会議室です。
京大付属図書館南側の建物です。
※建物内部


2006~10年度で11国立大学の原子力関連研究に少なくとも104億円が提供された(毎日新聞2012年1月12日)
http://www.mod.go.jp/trdi/research/kenkyukyouryoku_domestic.html 参照
2015-04-08(Wed)

京大 入学式 式辞

私は参加できませんでしたが、「学生の本分は学問であり、学生運動、その結集軸である学生自治会を認めない」というステレオタイプが話された入学式だったようです。以下京大ホームページから引用した山極総長の式辞です。

平成27年度学部入学式 式辞 (2015年4月7日)
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第26代総長 山極 壽一



 本日、京都大学に入学された3,002名の皆さん、入学誠におめでとうございます。ご列席の理事、副学長、学部長、部局長、および教職員とともに、皆さんの入学を心よりお祝い申し上げます。同時に、これまでの皆さんのご努力に敬意を表しますとともに、皆さんを支えてこられましたご家族や関係者の皆さまにお祝い申し上げます。

 4月は桜の季節であるとともに、さまざまな木々が芽吹き、新緑が山々を彩る季節でもあります。豊かな水に恵まれた琵琶湖の近くに位置し、盆地に育つ湿気に富んだ森に囲まれた京都では、とりわけこの鮮やかな色彩が目に映り、心を躍らせます。教育の場だけでなく、多くの職場がこの季節に新しく参加する人々を迎えるのには、この自然の背景が大きな影響を与えているのだろうと思います。それまで冬の寒さに縮こまり、凍った心や身体を解き放ち、すべての生物がいっせいに活動を始める。その勢いに誰もが同調して、世の中が騒がしく、活気づくようになり、自らも思わず背筋を伸ばして歩を早める。それが勉学や仕事の開始に合っていると、多くの人々が考えているのだろうと思います。

 しかし、4月を別の感情でとらえた詩人がいます。英詩の最大の傑作といわれる「荒地」Waste landという詩の冒頭で、詩人トーマス・エリオットはこう歌い上げます。



April is the cruellest month, breeding
Lilacs out of the dead land, mixing
Memory and desire, stirring
Dull roots with spring rain.
Winter kept us warm, covering
Earth in forgetful snow, feeding
A little life with dried tubers.



 この詩は第1次世界大戦の後に書かれ、引用したのは西洋文明の病んだ姿と人間社会の荒廃をWaste landになぞらえて描写した冒頭の部分です。英国にも日本と同じような四季があります。多くの詩人は4月を生気に満ちた恵みの季節として歌いあげるのですが、エリオットは荒々しく無情で残酷な季節と詠んだのです。長い間、私はその情景がよくわかりませんでしたが、この1月末に英国を訪問し、その冬の有様を体験して、おぼろげながらこの詩の背景が見えたような気がしました。ロンドンから車でブリストルへ、ふたたびロンドンへ戻った後、ケンブリッジへと電車で向かったのですが、風景にほとんど緑がなかったのです。木々はすべて葉を落とし、牧場は枯れ草で茶色に染まり、冷たい雨が途中で雪に変わりました。しかも、私が驚いたのは一面に吹き渡る風の強さです。途中でストーン・ヘンジという奇妙な環状列石のある場所へ立ち寄りました。ここは紀元前8000年ほど前から人々が住み着き、自然の脅威を克服しながらその恵みを糧とし、さまざまな文化を発展させてきた場所です。私は、立っていられないほどの強風にあおられ、寒さで顔を硬直させながら、昔の人々はいったいどうやってこの寒風を凌いだのだろうと思いました。ミュージアムの脇に古い住居が復元されていましたが、それは頑丈な木を組み合わせ、強靭な土壁で強風を防いで火を焚き、中で冬芽のように人々が閉じこもる作りになっていました。英国の人々がやがて石造りの家を作るようになった気持ちがわかるような気がします。冬は石の壁で寒風を遮断し、暖炉の火に照らされながらさまざまな思いをつむぐ季節なのです。

 しかし、日本の冬は違います。日本列島は南北に長く、亜熱帯の植物が茂る沖縄から流氷に見舞われる北海道まで多様な気候のもとに人々は暮らしています。深い雪に閉ざされた地域では、冬は英国のように炉辺で人々が手仕事や話に興じる季節でもあります。しかし、まるで背骨のように続く山脈が列島の中央にそびえるために、強い風に見舞われることは少なく、暖流が洗う海岸部では常緑樹が発達していて冬にも葉を落としません。ナンテン、マンリョウなど冬に実をつける木々もあり、多くの鳥たちが舞い降ります。冬の只中に正月や節分の賑やかな行事があり、華やいだ気分を人々に運びます。そして、啓蟄を迎えて草花が顔を出し、虫たちが活動を始める3月という助走の時期をはさんで、桜が満開の4月を迎えるのです。こうした自然の織り成す季節の綾は、人々の心やその形である文化に大きな影響を与えてきました。それを、かつて京都大学で教鞭をとった哲学者和辻哲郎は風土という言葉で表現しました。日本の思想や文化は、この多様な気候を背景とし、穏やかで鮮やかな色が織り成す自然の下で育まれてきたのです。

 ただ、エリオットの言うように、4月は開こうとしている蕾によって、過去のさまざまな記憶に潜む可能性の喪失を意味する時期かもしれません。大学という学びの国に入るということは、皆さんが自分に合った道を選び、自分の能力をその道に沿って鍛えていくということに他ならないからです。大学は、これまで皆さんが経験してきたような、既存の知識を蓄積し、正しい答えを見つける時間を競う場所ではありません。世界はまだ答えのない課題、複数の答えがある課題に満ちています。しかも、めまぐるしく動きを変える現代の社会では、過去に出された解決策が通用しなくなり、それを現代の条件や要請に合わせて再検討して、新しい答えを出さねばならないことも多くなっています。皆さんがこれから歩む道は、過去に人々が歩んできた道とは異なっているかもしれません。しかし、新しい道を切り開くためには、先人たちの歩みをたどり、それを教訓として現在の課題を克服する創造力が必要です。

 京都大学は1897年の創立以来、その学びの場を提供してきました。対話を根幹とした自由の学風のもと自主独立と創造の精神を涵養し、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献すべく、質の高い高等教育と先端的学術研究を推進してきました。これまでに9人のノーベル賞と2人のフィールズ賞をはじめとする数多くの国際賞の受賞者を輩出し、昨年も赤﨑勇 先生のノーベル物理学賞、森和俊 先生のラスカー賞、稲葉カヨ 先生のロレアル-ユネスコ女性科学賞などの受賞が相次ぎました。これは、京都大学が世界をリードする研究を実施してきた証です。これからも学問を志す人々を広く国内外から受け入れ、国際社会で活躍できる能力を養うとともに、多様な研究の発展と、その成果を世界共通の資産として社会に還元する責務を果たしていこうと思います。

 現代は国際化の時代といわれます。多くの国々から大量の物資や人々が流入し、日本からも頻繁に出て行きます。自然資源に乏しいわが国は先端的な科学技術で人々の暮らしを豊かにする機器を開発し、次々にそれを世界へと送り出してきました。海外へと進出する日本の企業や、海外で働く日本人は近年急激に増加し、日本の企業や日本で働く外国人の数もうなぎのぼりに増加しています。そうした中、大学ではグローバル化した社会の動きに対応できる能力や国際的に活躍できる人材を育ててほしい、という要請が強まっています。昨年、ある企業が企業の人事担当を対象に行った新卒社員の出身大学のイメージ調査では、京都大学が総合評価で1位となりました。とくに、知力・学力、そして独創性では高い得点を取りました。しかし、対人力では低く、人間関係を作る上で能力が伸びないことが指摘されています。たしかに、私の目から見ても昨今の学生は自己を提示して、相手に理解できるように話題を展開し、目的に沿って交渉をまとめる力が弱いように感じられます。これから国際的な交渉の場で力を発揮するには、日本はもちろんのこと、諸外国の自然や文化、歴史に通じ、相手に応じて自在に話題を展開できる広い教養を身につけておかねばなりません。理系の学問を修めて技術畑に就職しても、国際的な交渉のなかで多様な文系の知識が必要になるし、文系の職に理系の知識が必要な場合も多々あります。世界や日本の歴史にも通じ、有識者たりうる質の高い知識を持っていなければ、国際的な舞台でリーダーシップを発揮できません。そのために、今、大学は外国語の能力(読・書・聞・話)の向上を図り、質の高い基礎・教養教育を徹底する必要があります。京都大学は、2013年度に全学共通教育を一元的に所掌する国際高等教育院を立ち上げ、全学の教員の協力のもと質の高い基礎・教養教育の実践システムを組み上げてきました。学問の多様性や階層性に配慮し、クラス配当科目やコース・ツリー(専門科目へつなぐ基礎・教養科目の組み合わせ)などを考案し、教員との対話や実践を重視したセミナーやポケットゼミを配置しています。外国人教員の数も大幅に増やし、学部の講義や実習も英語で実施する科目を配置しました。すでに大学院の授業やゼミは英語や他の外国語で行うことが多くなっているので、今後は基礎教育、専門教育、大学院教育を緩やかにつなぎ、国際化に対応した教育をシームレスに実施する工夫を行っていこうと考えています。



 昨年の10月に総長に就任して以来、私は京都大学が歩む指針としてWINDOW構想を立ち上げました。大学を社会や世界に通じる窓として位置づけ、有能な学生や若い研究者の能力を高め、それぞれの活躍の場へと送り出す役割を大学全体の共通なミッションとして位置付けたいと思ったからです。大学の教育とは知識の蓄積と理解度だけを向上させるものではなく、既存の知識や技術を用いていかに新しい発想や発見が生み出されるかを問うものです。その創造の精神を教職員と学生が一体となって高めるところにこそ、イノベーションが生まれるのです。すべての学生が同じ目標に向かって能力を高めてもイノベーションには結び付きません。違う能力が出会い、そこで切磋琢磨する場所が与えられることによって、新しい考えが生み出されていくのです。京都大学は単に競争的な環境を作るのではなく、分野を超えて異なる能力や発想に出会い、対話を楽しみ協力関係を形作る場を提供していきたいと考えています。そういった出会いや話し合いの場を通じてタフで賢い学生を育て、彼らが活躍できる世界へ通じる窓を開け、学生たちの背中をそっと押して送り出すことが、私たち京都大学の教職員の共通の夢であり目標なのです。

 その窓にちなんで、WINDOWという標語を作りました。WはWild and Wiseです。すなわち野生的で賢い学生を育てようという目標です。現代の学生は内にこもりがちで、IT機器を常時持ち歩き、狭い範囲の仲間と常につながりあう傾向にあると言われています。そのため、自己決定ができない、ひとりよがりの判断でよしとする風潮が広がりつつあります。正しく、賢い選択をするためには、情報を正しく読み、自分ばかりでなく他者の知識や経験を総動員して自己決定する意思を強く持つことが必要です。大学キャンパス以外にもこうした対話と実践の場を多く設け、タフで賢い学生を育てようと考えています。

 IはInternational and Innovativeです。国際性豊かな環境の中で、常に世界の動きに目を配り、世界の人々と自由に会話をしながら、時代を画するイノベーションを生み出そうとする試みです。海外の大学や研究機関、産学官民を通じた多様な交流を通じて、この動きを作り出そうと考えています。

 NはNatural and Nobleです。京都大学は、三方を山に囲まれた千年の都に位置し、自然や歴史の景観に優れた環境にあります。昔から京都大学の研究者は、これらの豊かな環境から多くの新しい発想を育んできました。哲学の道を散策しながら練り上げられた西田哲学、北山登山から生まれた霊長類学など、世界に類のない新しい発想や学問を生み出してきたのも京都のこうした環境によるところが大きいと言えましょう。また、京都の市民も京都大学の学生に古くから親しみ、ときには教育的な配慮をもって接してきました。京都大学の学生の高い品格や倫理観は京都の自然と社会的環境によって醸成されてきたと思います。今後もこの伝統を受け継ぎながら、新しい時代に適合しつつそれを先導するような精神を培っていきたいと考えています。

 DはDiverse and Dynamicです。グローバル時代の到来で、現代は多様な文化が入り混じって共存することが必要になりました。これまで強みを発揮してきた日本の均質性は、国際競争が激化する現代ではときとして創造力を弱め、イノベーションの育成を阻んでいると言われます。京都大学は多様な文化や考え方に対して常にオープンで、自由に学べる場所でなければならないと思います。一方、急速な時代の流れに左右されることなく、自分の存在をきちんと見つめ直し、悠久の歴史の中に自分を正しく位置づけることも重要です。京都大学はそれを保証する静謐な学問の場を提供したいと思っています。

 OはOriginal and Optimisticです。これまでの常識を塗り替えるような発想は、実は多くの人の考えや体験を吸収した上に生まれます。そのためにはまず、素晴らしいと感動した人の行為や言葉をよく理解し、仲間とそれを共有し話し合いながら、思考を深めていく過程が必要です。自分の考えに行き詰まったり、仲間から批判されて悲観しそうになったりしたとき、それを明るく乗り越えられるような精神力が必要です。失敗や批判に対してもっと楽観的になり、それを糧にして異色な考えを取り入れて成功に導くような能力を涵養しなければなりません。京都大学にその機会をなるべくたくさん作るように環境を整えようと思っています。

 最後のWはWomen and Wishです。これからは女性が輝き、活躍する時代です。今日入学した皆さんの703名が女性であり、これは全入学生の23.4%にあたります。女性が増え、女性からの発想や観点によって新しい研究が始まれば、世界は変わります。私が行ってきた霊長類学でも、50年前はオスの優劣順位や敵対行動、社会構造がテーマとされていましたが、近年女性研究者の割合が増え、繁殖戦略やパートナーの選択、他者をいたわる行動が人気のあるテーマになっています。京都大学はこれから、勉学に打ち込める環境作り、女性に優しい施設づくりを実施していきます。

 このように、京都大学は教育・研究活動をより充実させ、学生の皆さんが安心して充実した生活を送ることができるよう努めてまいりますが、そのための支援策として京都大学基金を設立しています。本日も、ご家族の皆さまのお手元には、この基金のご案内を配布させていただいていますが、ご入学を記念して特別な企画も行っています。ぜひ、お手元の資料をご覧いただき、ご協力をいただければ幸いです。

 最後に、私の大好きな谷川俊太郎の詩を贈ります。私が学生時代に出会った詩で「朝」と題するものです。



また朝が来て僕は生きていた
夜の間の夢をすっかり忘れてぼくは見た
柿の木の裸の枝が風にゆれ
首輪のない犬が陽だまりに寝そべってるのを

百年前ぼくはここにいなかった
百年後ぼくはここにいないだろう
あたり前の所のようでいて
地上はきっと思いがけない場所なんだ

いつだったか子宮の中で
ぼくは小さな小さな卵だった
それから小さな小さな魚になって
それから小さな小さな鳥になって

それからやっとぼくは人間になった
十ヶ月を何千億年もかかって生きて
そんなこともぼくら復習しなきゃ
今まで予習ばっかりしすぎたから

今朝一滴の水のすきとおった冷たさが
ぼくに人間とは何かを教える
魚たちと鳥たちとそして
僕を殺すかもしれないけものとすら
その水をわかちあいたい



 私はこの詩に、悠久の宇宙と、生物の世界と、そして人間の歴史を感じます。それは大いなる不思議に満ちています。皆さんが京都大学でその世界に遊び、楽しまれることを願ってやみません。

 ご入学、誠におめでとうございます。



平成27年度大学院入学式 式辞 (2015年4月7日)
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第26代総長 山極 壽一



 本日、京都大学大学院に入学した修士課程2,253名、専門職学位課程320名、博士(後期)課程943名の皆さん、入学おめでとうございます。ご列席の理事、副学長、研究科長、学館長、学舎長、教育部長、研究所長および教職員とともに、皆さんの入学を心からお祝い申し上げます。また、これまで皆さんを支えてこられたご家族や関係者の皆さまに心よりお祝い申し上げます。

 さて、今日皆さんはさらに学問を究めるために、それぞれの学問分野へ新しい一歩を踏み出しました。京都大学には多様な学問分野の大学院が設置されており、合計23種類の学位が授与されます。18の研究科、14の附置研究所、17の教育研究施設が皆さんの学びを支えます。修士課程では講義を受け、実習やフィールドワークを通じて学部で培った基礎知識・専門知識の上にさらに高度な知識や技術を習得し、研究者としての能力を磨くことが求められます。専門職学位課程では、講義のほかに実務の実習、事例研究、現地調査などを含め、それぞれの分野で実務経験のある専門家から学ぶ機会が多くなります。博士後期課程では論文を書くことが中心となり、そのためのデータの収集や分析、先行研究との比較検討が不可欠となります。ここで重要なことは、(1)研究テーマを考案し、(2)そのための方法論を確立し、(3)データを収集し、(4)それを分析して結果を出し、(5)その結果を先行研究と照らし合わせて意義を示し、学界の中でのその発見や考え方の価値を位置づける。それは長く苦しい道のりです。でも、決して孤独になる必要はありません。新しい発見や考え方を見出したとき、それを周囲で聞いてくれる教員や研究仲間がいるはずです。独創的な研究をみんなで話し合いながら形にしていくことこそ、京都大学が誇る創造性や先端性の源です。論文を作成するためのこの五つのプロセスはどれも重要なのですが、おそらく最も難しいのがデータの収集です。文献研究であっても、事例研究であっても、フィールドワークや実験であっても、どのように信頼性の高いデータを取るかに、みな四苦八苦します。長年フィールドワークを実施してきた私のモットーは、「データに語らせる」ことです。相手がサルでもゴリラでも、鳥でも昆虫でも、はては植物や無機物の岩石であっても、研究対象が語りかけてくれなければいいデータは取れません。それは、決して独りよがりの仮定を立てて、思い通りの結果だけを予測しないことなのです。たとえば、自然環境でのサルの生態を観察して記録をとろうと思ったら、サルをよく見ようとして餌をやったり、追いかけまわしてはいけません。人間の影響の下に作り出された行動ではなく、自然の影響の下でサルたち自身の判断による行動を観察することが不可欠になります。研究対象をよく見定めて、ときにはその対象の立場に立って、信頼性の高いデータを得ることに心がけてください。昨今は、データの改ざんや剽窃など、論文制作に関わる不正行為が数多く指摘され、世間の厳しい目が研究者に注がれています。ぜひ、研究倫理を守り、独創性の高い研究を実施して、大きな成果を挙げていただきたいと思っています。

 また、皆さんはこれから専門性の高い研究の道へ入られるわけですが、それは狭き道をまっしぐらに進むことを意味するわけではありません。京都大学には34のユニットがあり、学際的にさまざまな教育・研究活動を行っています。複数の研究科、研究所、研究センターからなる教育プログラムや研究プロジェクトが走っていますので、ぜひ参加をして多様な学問分野に目を開き、創造性を高めてください。さらに、博士の学位を得て実践的な舞台でリーダーシップを発揮するリーディング大学院プログラムが五つの分野で実施されています。京都大学大学院思修館、グローバル生存学大学院連携プログラム、充実した健康長寿社会を築く総合医療開発リーダー育成プログラム、デザイン学大学院連携プログラム、霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院があり、それぞれ連携する大学院が指定されていますので、ぜひ関心を持っていただきたいと思います。

 日本は、博士の学位を取得した学生が産業界に就職しにくいと言われてきましたが、最近政府も企業に対して注意を促し、博士の学位をもつ人材を採用する企業が増えてきました。こうした動きを受け、京都大学は今年、国際科学イノベーション棟を新築しました。これは約40社の企業が参加して、産官学がアンダーワンルーフの下で事業化を目指す研究開発を推進する拠点です。ここで、大学、産業、国、地域を越えた産官学の連携活動を推進し、新たなイノベーションを創造・発信しようというわけです。すでに、安寧でレジリエントなチャレンジ社会の実現を目指し、(1)コードレス・省エネ電力伝送・エコシステム、(2)安心生活センサーネットワーク、(3)予防・先制医療、(4)先端医療という四つの目標を掲げて共同研究を開始しています。また、産学協働イノベーション人材育成コンソーシアム事業として、多くの企業に参加してもらい、中長期のインターンシップやマッチングを実施しています。社会に出る前に産業界の現場を経験し、自分の能力や研究内容に合った世界を知る機会を増やそうと考えています。

 さらに、日本企業の海外進出が増える中、国際的な舞台で活躍できる人材を育成してほしいという声が高まってきています。京都大学もスーパーグローバル大学創成支援事業においてジャパン・ゲートウェイ構想を立ち上げ、海外のトップ大学とダブル・ディグリーやジョイント・ディグリーを結ぶための準備に入っています。現在、京都大学はロンドン、ハイデルベルク、バンコクに海外拠点をもち、ヨーロッパやアジアの大学との連携を強めていますが、北米やアフリカにも拠点を設け、大学間交流の場を増やしていこうと考えています。また、すでに京都大学の多くの部局は世界中に研究者交流のネットワークや拠点をもっており、これらの拠点を活用しながら、共同研究や学生交流を高め、国際的に活躍できる機会と能力を伸ばしていく所存です。

 このように、京都大学は教育・研究活動をより充実させ、学生の皆さんが安心して充実した生活を送ることができるよう努めてまいりますが、そのための支援策として京都大学基金を設立しています。本日も、ご家族の皆さまのお手元には、この基金のご案内を配布させていただいていますが、ご入学を記念して特別な企画も行っています。ぜひ、お手元の資料をご覧いただき、ご協力をいただければ幸いです。



 現在、大学の研究は産業界の発展に結びつくことが期待されていますが、京都大学は社会にすぐ役立つ研究だけを奨励しているわけではありません。多様な学びと新しい発想による研究の創出を尊ぶ伝統も持っています。国立民族学博物館の初代館長をされ、民族学・文化人類学の分野で著名な業績を残した梅棹忠夫先生は、京都大学理学部・理学研究科の出身です。大学院に在籍しているときに第二次世界大戦に出兵し、その後41歳のときに理学博士の称号を取得しました。学位論文は動物の社会を数学的に表現するという試みでした。理学部の附属植物園の池からオタマジャクシをとってきて水槽に入れ、その上に櫓を組み立てて16ミリの撮影機で一コマ撮りをしたのです。そのフィルムを双眼顕微鏡で見て、オタマジャクシ同士の相互関係を分析しました。もし、オタマジャクシが勝手気ままに動いているなら、その分布は二項定理に従うはずであるという仮定を立て、もしそこにずれがあれば、そのずれが彼らの社会性を表していると考えたのです。そして、実際に観察されたずれを数式に当てはめ、ポリア・エッゲンベルガーの式に含まれているパラメータを用いて指標を作成しました。いわば、動物数理社会学を誕生させて学位を取得したのです。同じ頃、梅棹先生は「文明の生態史観」という構想を練っていました。これは、アフガニスタンとインドの横断旅行を経て、イスラム文明とヒンドゥー文明に接し、アジアと西洋にはさまれた「中洋」と呼ぶべき巨大文明世界を発見したことが下敷きになっています。日本文明はそれらの中洋の文明とはあまりにも異質であり、むしろユーラシア大陸の反対の極に位置するヨーロッパ文明と同質な特徴を多く持っているというのです。これらの文明は軍事封建制を経験し、革命を経て近代社会となり、ブルジョアジーの台頭という段階を経ているという点で共通しており、それはユーラシア大陸全体の生態学的構造に由来すると考えたのです。この稀有で壮大な理論は、梅棹先生の理学的思考、とりわけ生態学と数学の思考がフィールドワークの中で絶妙に融合されたことによって生まれたといってよいでしょう。

 同じような異分野の思考の融合はアメリカにも見られます。梅棹先生の「文明の生態史観」から30年経って、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のジャレド・ダイアモンド教授は、「銃・病原菌・鉄」という本を出し、これは世界の大ベストセラーとなりました。驚いたことに、ここに書かれている内容は梅棹先生の本とよく似ているのです。ジャレド・ダイアモンドも文明には発展段階があると考え、ユーラシア大陸のように東西に長い大陸と、アフリカや北米、南米大陸のように赤道をはさんで南北に長い大陸とでは、文明の発展や伝播の仕組みが異なっていると主張しました。ユーラシア大陸は気候の似た地域を通って文明や技術が東西に速い速度で伝えられました。さらに、家畜化できる中大型哺乳動物がほとんどユーラシア大陸にいたために、農業技術を早く発展させることができ、家畜がもたらす伝染病に対する抵抗性をもち、それが他の大陸へ進出した際に大きな武器となったというのです。実は、ジャレド・ダイアモンドも生理学で博士号を得た後、分子生物学、進化生物学、遺伝子学、生物地理学、考古学、人類学、言語学といった理系と文系の学問を学び、地理学の教授となりました。梅棹先生と同じように、理系の思考を用いて文系の課題に取り組んで大きな成功を収めた研究者です。

 今日、京都大学の大学院に入学した皆さんも、いつかは自分の専門を離れて別の学問領域に目を向ける日が来るかもしれません。それも自分の学問分野で成功するのに匹敵する輝かしい飛躍であり、新たな可能性を生み出す契機となると私は考えています。どうか失敗を恐れず、自分の興味の赴くままに、研究生活に没頭してください。京都大学はそれにふさわしい環境を提供できると思います。

 本日は、誠におめでとうございます。

中執 大森
2015-04-08(Wed)

京大 卒業式 総長式辞

京都大学の大学院学位授与式、学部卒業式があり、私も見に行きました。山極総長にとっては、昨年10月の就任以来初めての演説です。今までも端々で聞いていましたが、「学生運動の忌避~教養人への転換」、「戦争への批判~グローバル人材育成への情熱」など彼の考えがかなり詳しく発露されました。京大ホームページから全文引用しました。読んでみてください。

平成26年度卒業式 式辞 (2015年3月24日)
写真 2


第26代総長 山極 壽一

 本日、京都大学を卒業される2,803名の皆さん、誠におめでとうございます。ご来賓の松本紘 前総長、列席の理事、副学長、学部長、部局長をはじめとする教職員一同とともに、皆さんのご卒業を心からお祝い申し上げます。あわせて、今日の卒業式を迎えるまでのご家族および関係者の皆様よりいただいた数々の厚いご支援に対し、心より御礼申し上げます。京都大学が1897年に創立され、1900年に第1回の卒業式を迎えて以来、118年にわたる京都大学の卒業生の数は皆さんを含めて199,782名になりました。

 さて、本日はぜひ、皆さんが入学したころのことを思い出してください。高校で優秀な成績を修められ、厳しい受験戦争を勝ち抜いて入学した皆さんは、京都大学にどんな期待や夢を抱いていたでしょうか。今日、卒業式を迎えるまでの数年間、それは叶えられたでしょうか。それとも、その夢は大きく変貌を遂げたのでしょうか。そして、皆さんがこれから歩んでいこうとされる道は、そのころの夢とどうつながっているのでしょうか。

 今からちょうど45年前の1970年に、私も京都大学に入学しました。そのときの夢は、漠然とこの広い宇宙の仕組みを解いてみたい、ということでした。当時は大学紛争が激化した時代で、東京で高校生活を送っていた私もその影響を強く受けました。日本の政治が大きな曲がり角にさしかかっているときに、それを無視してのほほんと受験勉強に現を抜かしていていいのか、という声があちこちから立ち上がり、市民集会や街頭デモに参加したりしました。大学へ進学することを自ら拒否した仲間もいます。しかし、私は今目の前にある世界よりももっと大きく深い世界を知りたいと思いました。政治に翻弄される日常の世界に踏みとどまるよりも、未来に出会うであろう世界を構想するためには、自分の頭の中にある時間と空間を思い切り広げてみなければならないと感じたのです。京都大学はそれを実現させてくれる学問の都に思えました。そして、私の夢は京都大学の在学中に大きく変貌し、今に至っています。しかし、その夢の本質は変わることなく、部分的にかなえられたと思っています。

 開学以来、京都大学は対話を根幹とした自由の学風を伝統としています。私が入学した年はまだ学生たちがキャンパス内を占拠し、入学式もままならない状況でした。授業もボイコットされたり中止になったりしましたが、教員と学生との対話は今よりも頻繁でした。学生たちも自主ゼミを開いて、自らテーマを掲げて必要な文献を持ち寄り、議論を交わしていました。学生たちは分野の壁を乗り越えて集い、ときにはキャンパスを出て、吉田山や鴨川、円山公園や酒場に議論の場を求めました。そのなかで既存の考えを読み直し、多くの面白い発想や新しい考えが育っていったと思います。現在の京都大学総合博物館の前身である陳列館も、戦前は教官と学生、教官相互の自由な交流の場でした。昨年発行された「学問の礎を受け継ぐ」と題した京都大学総合博物館の冊子には、この陳列館の様子が「下駄箱があった地下室には、和服に下駄でやってくる教官たちが必ず立ち寄り、そこで談論風発、学問上の諸問題からゴシップの類まで、学生も交えて賑やかで豊かな時間があったという」と記されています。

 ところで、談論風発とはいったいどんな様子を指しているのでしょうか。

 明治時代にジャン・ジャック・ルソーの思想を日本に紹介し、自由民権運動を展開した中江兆民に、1887年に出した「三酔人経綸問答」という著作があります。ここには3人の論者が登場し、酒を酌み交わしながら日本の国際戦略を論じるのです。一人は洋学紳士と呼ばれる西洋の近代思想を擁護する論客。もう一人はかすりの和服をきた豪傑君と呼ばれる壮士。そして、お酒の大好きな南海先生です。洋学紳士はルソーさながらに自由・平等・博愛の3原則の確立を説き、軍備の撤廃を主張します。人間は四海同胞たるもの、万一強国に侵略されても、道義をもって訴えれば他の列強は放置するはずがないと言うのです。いいや、それは学者の書斎の議論である、と豪傑君は反論します。現実の世界は弱肉強食、国家間の戦争は避けることができない。侵略を甘受せずに軍備を整えて大陸の大国に立ち向かうべしと主張します。南海先生はその二人の間に割って入ります。双方の説は極端で机上の空論や過去のまぼろしに過ぎない。国内においては立憲の制度を設けて人民の権利を守り、世界に対しては各国の民主勢力と連携を図り、武力をふるってはならないと説きます。洋学紳士も豪傑君も南海先生の議論の平凡さにあきれ返るのですが、南海先生は国家百年の大計を議論するのに奇抜な発想などできるはずがない、と言って頑として譲りません。この三酔人はそれぞれ中江兆民の分身と思われるのですが、兆民は三人問答の形式を取って議論の向かうべき道を示したといってよいでしょう。



 京都大学にも、この問答形式を採用して論を展開した先駆者がいます。霊長類学という新しい学問を創った今西錦司です。1964年に理学部にできた人類学教室の初代教授で、私は6代目の教授を務めました。今西先生が1952年に出した著作に「人間性の進化」という論考があります。これは、進化論者と人間、サル、ハチが登場して、それぞれ意見を述べ合うという形式になっています。本能に対置する概念として文化よりもっと広いカルチュアという用語を適用し、動物にも人間にもカルチュアが認められるかどうか、それぞれの立場から論じたものです。今まで人間だけに求められるとされてきた現象を、動物に見られるものに置き換えてみれば、違った解釈が可能だということを、対話を通じて明らかにしていきます。たとえば、本能によって生活している動物は、その行動の目的を知らないが、カルチュアによって生活している人間は、いちいちその行動の目的を知っている。ここに動物と人間の違いを認めようという考えが一般に流布しているが、どう思うかと進化論者が問いかけます。するとサルは、「チンパンジーは天井から吊り下げられたバナナを取るために箱を積み重ねるのだから、目的をわかって行動している」と反論します。これに対して人間は、「目的ではなく、ゴールに到達しようとして行動し、努力するのが人間だ」と言い返します。ハチは、「カリウドバチが獲物を穴倉の巣にしまいこんで卵を産み付けるのは、幼虫とその食物の安全さを確保するために予想して行動したように見える。ただし、これは本能であってカルチュアとは言えない」。と主張します。大変面白く、読んでいて思わず引き込まれてしまう論議で、いかに私たちが勝手に人間の行動を特別視しているかが浮かび上がってきます。こういったさまざまな視点に立った議論を、私が所属していた人類学教室では嬉々として行うのが伝統で、それは今も守られています。

 今日卒業する皆さんも、このような自由闊達な議論を味わってきたと思います。その議論と学友たちはこれからの皆さんの生きる世界で大変貴重な財産になるでしょう。京都大学には創造の精神を尊ぶ伝統があります。まだ誰もやったことのない未知の境地を切り開くことこそが、京都大学の誇るべきチャレンジ精神です。その精神に基づいて顕著な活躍をした学生を称えるため、総長賞が設けられています。今年度は11人の学生が総長賞を受賞しました。その中には、今年卒業する工学部の田中英祐君も含まれています。田中君は学業にいそしみ卒業研究に励む中、野球部の代表的ピッチャーとして京都大学の勝利に貢献し、ロッテ球団に指名を受けてプロの道に進むことになりました。京都大学としては初めてのプロ野球界への挑戦です。きっと従来のプロ野球選手にはない能力を発揮して活躍してくれるだろうと期待しています。田中君ばかりでなく、今日卒業する皆さんもさまざまな突出する能力を身に着け、すでにそれを発揮して活躍している方も多いだろうと思います。京都大学で磨いた能力を示し、試す機会がこれからはきっと多くなることでしょう。しかし、忘れてはならないことは、自分と考えの違う人の意見をしっかりと聞くことです。しかも複数の人の意見を踏まえ、直面している課題に最終的に自分の判断を下して立ち向かうことが必要です。自分を支持してくる人の意見ばかりを聞いていれば、やがては裸の王様になって判断は鈍ります。このとき、京都大学で培った「対話を根幹とした自由の学風」がきっと役に立つはずです。

 京都大学は「地球社会の調和ある共存」を達成すべき大きなテーマとして掲げてきました。現代はこの調和が崩れ、宗教間、民族間の対立が激化して、多様な考えを持つ人々の共存が危うくなっている時代です。皆さんもこれから世界のあちこちでこのテーマに抵触する事態に出会うことでしょう。そのとき、京都大学の自由な討論の精神を発揮して、果敢に課題に向き合ってほしいと思います。皆さんがこれから示すふるまいや行動は、京都大学のOB、OGとして世間の注目を浴び、皆さんの後に続く在校生たちの指針となるでしょう。これから皆さんの進む道は大きく分かれていきます。しかし、将来それは再び交差することがあるはずです。そのときに、京都大学の卒業生として誇れる出会いをしていただけることを私は切に願っています。

本日は誠におめでとうございます。


平成26年度学位授与式 式辞 (2015年3月23日)

写真 1


第26代総長 山極 壽一



 本日、京都大学から修士の学位を授与される2,179名の皆さん、修士(専門職)の学位を授与される158名の皆さん、法務博士(専門職)の学位を授与される141名の皆さん、博士の学位を授与される608名の皆さん、誠におめでとうございます。

 学位を授与される皆さんの中には、325名の留学生が含まれています。累計すると、京都大学が授与した修士号は72,206、修士号(専門職)は1,233、法務博士号(専門職)は 1,720、博士号は41,753となります。ご来賓の長尾真 元総長、松本紘 前総長、列席の理事、副学長、研究科長、学館長、学舎長、教育部長、研究所長をはじめとする教職員一同とともに、皆さんの学位取得を心よりお祝い申し上げます。

 京都大学が授与する修士号や博士号には、博士(文学)のように、それぞれの専攻分野が附与されており、合計23種類もあります。これだけ多様な専攻分野で皆さんが日夜切磋琢磨して能力を磨き、その高みへと上られたことを、私は心から誇りに思い、うれしく思います。本日の学位授与は皆さんのこれまでの努力の到達点であり、これからの人生の出発点でもあります。今日授けられた学位が、これから人生の道を切り開いていく上で大きな助けとなることを期待しています。私は昨年の10月に総長になって以来、学生を主役とする大学を作るためにWINDOW構想を掲げました。大学を社会や世界に開く窓として位置づけ、有能な学生や若い研究者の能力を高め、それぞれの活躍の場へと送り出す役割を大学全体の共通なミッションとしました。野生的で賢明な、世界の急激な動きに左右されることなく、独創的な考えを発信しながら、自分で判断し行動できる人を育てたいと思っています。これから社会に出て行く皆さんはぜひその模範となっていただきたい。また、WINDOW構想では、女性の活躍を支援して希望のある社会を築くことを謳い、男女共同参画推進アクションプランを提示しています。本日学位を授与された皆さんの中には、763名の女性が含まれています。この数は年々増えていくことでしょう。ぜひ、ご自身の経験と能力を活かしながら、男女が分け隔てなく、楽しく働ける社会の実現へ向けて、皆さんのご活躍を期待しております。

 さて、本日学位を授与された論文の報告書に目を通してみますと、やはり近年の世界の動向を反映した内容が目に留まります。グローバル化にともなう異文化との接触、多文化共生、人の移住、地球規模の気候変動や災害、社会の急激な変化にともなう法や経済の再考、心の病を含む多くの疾病に対する新しい治療法などです。

 たとえば、文学研究科の安井大輔さんの「現代日本社会の多文化接触領域におけるエスニシティ生成過程の研究-横浜市鶴見区にみられる沖縄移民の文化実践を事例にして」、Debnar Milosさんの「Globalization and diversity in migration to Japan: Migration, whiteness and cosmopolitanism of Europeans in Japan」、アジア・アフリカ地域研究研究科の泉直亮さんの「土地を求めて移住した農牧民の社会・経済変容と地元住民との共存に関する研究-タンザニア・ルクワ湖畔におけるスクマの事例」、論文博士のJane Singerさんの「Examining the roles of multiple stakeholders in dam-forced resettlement of ethnic minorities in Vietnam」は、人々の移住や民族・文化間の接触にともなう共存の問題をテーマにしています。



 地球規模の気候変動や災害、人為的な環境の変化への対処をテーマにした論文としては、工学研究科の久加朋子さんの「固定床流域を有する河川における掃流砂・河床変動特性と河川生態システム改善に関する研究」、Aziz Tabindaさんの「Empirical analyses of human-machine interactions focusing on driver and advanced driver assistance systems」、理学研究科のAkter Fatimaさんの「Environmental conditions and dryline influence on the occurrence of severe local convective storms in Bangladesh during the Pre-monsoon season」、情報学研究科の呉麗慧さんの「Earthquake disaster preparedness for tourism industry in Japan and China」、論文博士の高田望さんの「降雨現象の階層構造を考慮した短時間降雨予測手法および予測誤差推定に基づいた大雨予測情報提供方法の開発」などが挙げられます。

 経済や社会変動を扱った論文としては、農学研究科の今泉晶さんの「種子と遺伝情報の管理体制に対する批判的検討-所有の正当化理論とシードシステムに着目して」、Ho Sanaraさんの「The transition of farming systems causing forest degradation in Ratanakiri Province, Cambodia」、経済学研究科の堀林巧さんの「自由市場資本主義の再形成と動揺-現代比較社会経済分析-」などがあります。

 近年の疾病や健康に着目した論文としては、医学研究科の義村さや香さんの「A lack of self-consciousness in Asperger's disorder but not in PDDNOS: Implication for the clinical importance of ASD subtypes」、本屋敷美奈さんの「Specificity of CBT for depression: A contribution from multiple treatments meta-analyses」、論文博士の加島依子さんの「Studies for maximizing value of antibody drugs against tumors」、Techasrivichien Teeraneeさんの「Changes in sexual behavior and attitudes across generations and gender among a population-based probability sample from an urbanizing province in Thailand」などがあります。

 また、こういった近年の自然や社会の現象ではなく、広く世界にテーマを求めた多様な基礎研究が実施されています。たとえば、文学研究科の張陵さんの「平安女流文学と漢文学についての研究-道綱母と菅原孝標女の場合-」、経済学研究科の大久保和宣さんの「パーク・バーレル・ポリティクス-分配政治の経済分析-」、人間・環境学研究科の小野智恵さんの「ニュー・ハリウッド映画期におけるロバート・アルトマン監督作品に刻まれる反古典的様式の独創性-1967年「宇宙大征服」から1976年「ビッグ・アメリカン」までの音声的・映像的実験によるナラティヴ全体の革新についての分析研究」、理学研究科の西川真理さんの「Cohesion and behavioral synchrony among females in a wild group of Japanese macaques」、生命科学研究科の森井愛乃さんの「苔類ゼニゴケの青色光応答反応と青色光受容体フォトトロピン機能の解析」などです。これらの論文は、タイトルを見ただけでも中身を読んで詳しく内容を知りたいという気持ちをかき立てられます。この他にも、私の理解能力を超えたたくさんのすばらしい研究が学位論文として完成されており、私はその多様性に驚きの念を禁じえませんでした。この多様性と創造性、先端性こそが、これからの世界を変える思想やイノベーションに結びついていくと確信しています。

 私も今から28年前の1987年、35歳のときに京都大学から論文博士の学位を授与されました。ゴリラのオスの生活史を扱った論文でしたが、なかなか野生のゴリラのデータが取れず、フィールド・ワークをする場所を変え、その間に職を得たりするうちに学位論文を書くのが大幅に遅れました。何度も自己不信に陥り、挫折しそうになったことを覚えています。それでもあきらめずに学位論文を書き上げることができたのは、誰も見ていないことを自分が見たという感動と、その発見を理論として学問の中に位置づけることを可能にしてくれた指導教員や仲間たちの支えだったと思います。

 私の指導教員だった伊谷純一郎先生は、一度も私をフィールドで指導してくれませんでした。フィールドでゴリラの観察法を指導してくれたアメリカ人のダイアン・フォッシー博士は、私が論文を書き上げる前の1985年に何者かに殺害されて亡くなりました。しかし、私はこの二人の先生からフィールド・ワークのリテラシーを学びました。それは結果をあせってはいけない。自分の思うとおりの結果が出なくても、それを受け止めて世界を見つめ直し、自分の考え方を変えなくてはならない。自分が研究している対象の世界に入り込んで、じっと目を凝らしていれば、いつか思いもよらぬ形で豪華な世界が垣間見える。その瞬間を見逃すな、ということです。伊谷先生はそれを、「自然が微笑むとき」と呼びました。この自然は宇宙であってもいいし、人間であってもいい。研究対象を通して新しい世界が見えてくる。それを「豪華」と呼ぶのです。研究者にはその特権が与えられています。しかし、それを得るには研究者としてのリテラシーが必要だというのです。

 ここに集った皆さんも、学位論文を完成させる過程で、自分が追い求めてきた豪華な世界を垣間見ることができた人々なのだと思います。これから社会に出る皆さんや、研究の世界に残る皆さんに、再びこの豪華な瞬間が訪れるかどうか。それは皆さんが研究者としてのリテラシーを守れるかどうかにかかっていると思います。昨今は科学者の不正が相次ぎ、社会から厳しい批判の目が寄せられています。皆さんが京都大学で培った研究者としての誇りと経験を活かして、どうか光り輝く人生を歩んでください。

 本日は、誠におめでとうございます。

以上

中執 大森
2015-04-08(Wed)

作部書記長第二回公判〜判決

明日4月8日から前期開講です。しばらく更新してませんでしたが、随時更新していきます。

書き忘れていた記事を一つ。この間行われてきた作部くんの裁判の報告です。

作部裁判要旨
第2回公判

⚫︎関大システム管理課長 夏田望の証言の要約

1月5日から約1週間かけて、被害状況を確認した。特に異常は無かった。

清掃業者が清掃後、施錠するはずが、その日たまたま別の業者(IT関連)も来ていて、締めなくて良いと思って、2階の施錠をしなかったとのこと。3階以上は施錠されていた。

今回の事件を受けて螺旋階段に侵入防止の鉄格子をつけた。費用が約70万円かかった。今後、4階まで格子を増設していく。

被害届提出の意思決定には自分は関与していない。

⚫︎関大総務課長 中村匡志の証言の要約

キャンパス内に吹田市の市道があるため、夜間も閉門しない。立ち入りご遠慮下さいという看板は設置している。

確認した範囲では人的・物的被害無し。

警察から「どうしますか」といわれて、1月24日に被害届を提出した。
施錠されている施設に入ったこと、被害状況の確認作業のために日常業務に支障をきたしたこと、格子の設置にコストがかかったことから。

警備員が犯人を退去させた(解放した)のは不適切であった。大学の保安が脅かされており、総務課に報告し、速やかに警察に通報すべきだ。

ただし、それを定める明確な書面・文書・規則は無かった。

警察とは事件当日から何回も接触した。

被害届を出そうということで、A4の紙1枚の稟議書を書いた。そこに中核派と書いた記憶はごさいません。極左暴力集団とは書いておりません。

⚫︎小林検事の論告の要約

弁護側には理由が無い。
事実が認められる。
関大による事後的な承諾は無い。
警備員による追随行為は、事件についてより詳しく聞くためであり正当。
家宅捜索は正当。

犯人は施錠された施設に柵を乗り越えて侵入した。

関大は被害確認のために日常業務に支障をきたした。また、螺旋階段に鉄の格子を増設することなどに74万円かかった。
被害結果は軽視できない。

懲役3ケ月を求刑する。

⚫︎弁護団による弁論の要約

被告人を犯人と仮定して述べる。
公訴を棄却すべき。
ガサは不当。

森田証人(警備員)は7点の理由を挙げて、被告人を一度解放した。

矢野証人(警備員)が、総務課に連絡すべきだったと証言したが、矢野証人は被告人を左の危ない人と述べており、偏見であり、この証言は信用できない。

被告人の解放は問題無かった。そのあと被告人の肩書きによって、データ抜き出しを想定し、対応を変えた。

森田は被告人が拒否するにもかかわらす追随行為をした。

事件に計画性は無い。学生運動でもない。
京大に公安が侵入した件と比べてもおかしい。

⚫︎作部の最終意見陳述
省略

⚫︎判決
3月20日16時から言い渡し。
判決は罰金10万円。
未決勾留の期間、1日5000円として計算した分を差し引いて、実際は0円。

弁護側の主張も検察側の主張もどちらにも深く触れずに判決が出された。

以上
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京都大学同学会中執

Author:京都大学同学会中執
京都大学全学自治会同学会の中央執行委員会で運営する、オフィシャル中執blogです。
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告示第五号、第四号について
2012年~再建過程について
→リンクから見れます。

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集まった資金は学生自治会の発展に向けて、大切に使わせてもらいます。

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