2014-06-16(Mon)

中執予備選挙の立候補宣言

全学自治会同学会2014年度中央執行委員会予備選挙
大森候補者団からの立候補宣言
委員長候補:大森靖之(薬) 副委員長候補:纐纈貴文(農) 書記長候補:作部羊平(工)

TOEFLの義務化反対! 大学の主人公は学生だ!
全学集会で学生の力を示し、大学自治を復権しよう!

 本立候補宣言は、私たちが昨年度の同学会運動を総括し、今年度に全学自治会=全学生が取り組むべき課題と、その背景、解決策を提起するものです。

1.同学会の再建から2年間で何が起きたか
1-1.2012年度 ~ 同学会の再建と京大当局による非公認化
 2年前、それまで全く機能していなかった同学会を再建させるべく、中央執行委員会選挙を行いました。その結果三千票の内7割を超える信任をもって同学会が再建され、冨山委員長体制が確立されました。しかしそれに対し京大当局は、告示第5号を発して「正当な同学会として認めない」としました。この後同学会はクラス討論・運営会議での議論の末、正門前立て看板や駐輪場に関して申入書を提出しますが、受け取りすら拒否されます。

1-2.2013年度 ~ 学生投票の無視と総長権限の強化
 昨年度には大森委員長体制に代わり、「京大のトップである総長との団体交渉が必要だ」と訴え学生投票を行い、1146票の賛成=(少なくとも)1146人の京大生が総長団交を求めているという事実をもって申し入れを行いますが、これも対応すらされませんでした。「告示の通り同学会として認めない。正式なチャンネルで申し入れろ」と言う一方でそのチャンネルが何かについては言及しない。つまりどれだけ多くの学生が意見しても応じないという京大当局の姿勢が明らかになります。

それどころか、学生投票の裏で総長権限をさらに強化する総長選挙の廃止・再任の許可を総長選考会議(委員の半数が学外)にて秘密裡に進めていました。この構想は、選考会議の学内委員がリークした結果、職員組合と同学会中執を先頭とした反対運動により一旦撤回されましたが、改めて学生を含むすべての大学構成員から権限を奪う当局の意図が明らかになりました。

1-3.2014年度 ~ グローバル教育の一律義務化
 そして現在問題になっている事柄が1回生全員に対するTOEFL-ITP試験の強制や、吉田食堂横へのi-ARRC施設の建設です。ここに至るまでの流れは、「グローバル人材育成」という政府の方針に集約されます。

中執一同
2.グローバル人材について
2-1.グローバル人材とは何か
 現在、官民がこぞって「グローバル人材が必要だ」と叫んでいます。しかしグローバル人材の定義については「若い世代の「内向き志向」を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材」や「地球規模での資源問題や環境問題の分野で、ハイレベルな教養と高度な俯瞰力を持ち合わせており、日本が国際的なイニシアティブを取り、プレゼンスを発展させるために活躍できる人材」など様々に言われており、定義が非常に抽象的で曖昧です。

2-2.グローバル人材の実態と問題点
 様々に言われるグローバル人材ですが、共通しているのは「日本の国際競争力をつける」ということです。これは現在の安倍内閣の主戦略として取り上げられ、具体的には①残業代ゼロ法、限定正社員などを導入することで、外資系ファンドとの競争に勝ち抜けるように職場を作り変える、②鉄道・水道・原発などのインフラを①の経営システムごと輸出する(パッケージ型インフラ輸出)ことで、自国の技術を独占しながら海外市場をまるごと獲得する、などとされています。つまり国内の労働者の賃金を下げた上で、他国との競争に勝って国益を上げるということです。そしてこれを牽引するのがグローバル人材(グローバルリーダー)なのです。
 しかしこれらに関して、安倍内閣の戦略そのものが破綻しつつあります。まず①のあり方は世間で言われる「ブラック企業」そのものです。ブラック企業に対しては全国的に労働争議が相次いでいて、最近では牛丼チェーンすき家におけるストライキが報道されています。②に対しては、日系企業に対する暴動・ストライキが相次いでいます。特にアジア諸国で顕著で、例えば中国のTOTOでは非人間的な労働環境に対して1000人がストライキを行い、日本人社長が辞任に追い込まれています。
 日本国民も他国民も不幸にして、国家や大企業という「箱」だけを儲けさせる人材。これが今日本でもてはやされているグローバル人材の正体です。そしてこの人材を育てるために、大学が使われているのです。

3.京都大学におけるグローバル人材育成
 京大では現在、文科省や大企業の意を受けた松本総長の指揮によって、グローバル人材育成のための改革が次々に進められています。

3-1.京都大学大学院『思修館』 ~ 少数の学生への専門教育
 京大は2011年度から始まった、グローバル人材の育成を推進する大学に予算を配分する「博士課程教育リーディングプログラム」にいち早く名乗りを上げ、京都大学大学院『思修館』を設置しました。これは一部のグローバル人材を志す学生を、奨学金(月20万円)を餌に取り込み、専用に特化した温室空間で、政府役人や大企業の取締役による講義や海外インターンシップといった教育を施すというものでした。しかし学生が主体的である京大では、「グローバル人材にならないと」という学生側の強迫観念が薄く、2年連続で定員割れを起こします。

3-2.国際高等教育院 ~ 全学生への「グローバル人材になるべき」という扇動
 これを突破するために、大学自治を解体し、すべての京大生を一律に「グローバル人材にならなければいけない」と扇動するものとして、2013年度に国際高等教育院が設置されます。

3-2-1.学生や決定権を奪うものとしての国際高等教育院
 従来、京都大学において教養・共通教育の実施は、各学部・部局の教授陣の自治によって運営されていました。しかし2012年度から教育院の具体的な構想「これまでの部局任せではなく、教育内容を教育院で一括管理し、企画する(=中央集権、自治破壊)」「設立にあたって、教育院のポストに各学部から教員を出向させる(=人事権の掌握)」などが明らかになりました。この構想に対し、総人教授会の全会一致の反対決議や学生・教授による署名活動など様々な反対運動がありましたが、最終的に一切の反論を無視する形で教育院の設置が強行されます。これによって中央=総長によって学生が一元的に管理され、反論できない状況が作り出されました。また、現在進められている「学域・学系構想」では、教養・共通教育だけでなく全ての教育部門を中央集権化して教職員の決定権を奪うとされており、更なる管理強化が狙われています。

3-2-2.グローバル教育をすべての京大生に義務付けるものとしての国際高等教育院
 この管理構造を背景にして、自民党の「大学の受験・卒業要件にTOEFLを導入する」政策に迎合する形で、今年の4月にすべての1回生にTOEFL ITPの受験を強制しました。昨年秋に法・理学部で行った際には3000円分のコピーカードを餌にしていたのが、今回は「TOEFL ITPを受験しない場合には、原則1回生後期以降の英語科目の履修登録ができない(≒卒業させない)」という脅迫に変わっており、学生への支配が強化されていることが分かります。また、現在吉田食堂東側の駐輪場を破壊して建設されているi-ARRCセンターにおいて、「有志に対して専門教員による英語教育を施す」という次のグローバル教育が準備されていますが、これもゆくゆくは京大生全員に義務化されていくものだと思われます。

4.グローバル人材育成の問題点
4-1.学生の決定権を奪い、管理化している
 ここまでで見てきたように、グローバル人材育成はそれ自体が学生から決定権を奪うもの(=学生自治の解体)として進められてきました。大学の構成員の一員たる学生が、自治会の議論を通して大学当局と交渉し学内の運営に関わるという本来のあり方が亡きものにされ、申入書すら受け取らないという現実があります。更には単位(=卒業)を人質に脅迫し、従わせています。大学が何かを「する」場所ではなく、「させられる」場所になっている。このような京大当局の横暴は許せません。

4-2.反対意見だけを封殺し、学生の団結や主体性を奪っている
 もうひとつ重要なのは、グローバル教育に際して賛成者と反対者を分断していることです。京大当局は「ニーズがある」「学生の利益になる」と学生の味方面をする一方で、反対する学生を「話が進まなくなる」と悪者に仕立て上げ、「怠慢だ」「矯正すべき」という風潮を作っています。これが正当化されれば、誰も反論できない中で「権威には従うしかない」と主体性を失い、将来、例えばブラック企業の横暴にも逆らえない社会が作られてしまいます。しかし本当に真剣に賛成者と反対者で討論をすれば、互いの主張の重なる部分を確認して団結できるはずです。それをさせないことを前提として、学生の団結や主体性を奪っている京大当局は許せません。

4-3.二つの「グローバル人材」と京大生の未来
 国際高等教育院がすべての京大生にグローバル教育を施していく現状を分析する中で、「グローバル人材」の二面性が見えてきました。それは思修館にみられるような「国際競争に勝って国益を上げるために、社会を牽引していくグローバルリーダー」と、TOEFLなどによって「一律の『国際基準』のラベルを張られ、国際的に競争させられる商品としての労働者」です。
 つまりグローバルリーダーになれない者は、彼らの主導していく社会の中で競争し、分断させられることに文句を言うなということです。今、全世界でTOEFLが英語能力・交渉能力の一律の基準とされています。その中で京大卒業者は「このくらいの能力を持っている」というラベルを付けて社会に売り出されることになります。ここでは、全世界の労働者と常に競争・比較され続け、能力のない者から順番に「努力が足りない」「怠慢だ」「個人責任」として賃下げされ、「ブラック化」され、こき使われていく。基準外の能力は考慮されず、自分をアピールできなければ明日は我が身という重圧の中で、隣の人と仲良く酒を呑むことすらままならない。丁度大学の受験戦争を生活に直結する問題として、全世界規模で常態化するようなものです。そして最終的には、各国が「国益」を守るために、グローバルリーダーを先頭にして戦争に突入していくのです。
 「それは言いすぎだ」という意見もあるでしょう。しかしブラック企業の現実、年功序列の廃止や年俸制、公務員評価制度の導入、安倍政権の集団的自衛権容認といった世間の流れの中で、決して妄想と言いきれない現実性がそこにはあります。

5.大学改革と大学自治の解体に対する広範な怒り
 グローバル人材育成をはじめ、現在京大で猛然と進められている大学改革・大学自治の解体に対し、様々な人が反対を表明し闘ってきました。国際高等教育院設置の過程では総人の教授を中心に、学生も含めた広範な反対運動が展開されました。総長選挙の廃止に対しても、職員組合が反対集会と署名集めをやり、100人近い学生が反対の座り込みを行う中で一旦阻止しています。他にも、「東日本大震災からの復興」を言い訳にした職員の賃下げに対し、職員組合が京大当局を相手に裁判を起こしている・交渉に応じない京大当局に業を煮やした熊野寮生有志による、学生200人以上を集めての企画「総長室突入」・松本総長の横暴に対する教授陣の「総長辞職要求署名」など、多くの闘いが巻き起こっています。

6.新しい総長に期待することが解決策ではない
 総長選挙の廃止・松本総長再任の構想が反対運動によって阻止されたことにより、今年度9月をもって松本総長体制が任期を終え、新しい総長が選挙で選ばれます。これに対し職員組合は「できるだけ良い総長を投票で選ぼう」という方針を出しています。しかしそれで今ある問題が解決されるのでしょうか。

6-1.今の大学は経営協議会が権限を握っている
 2004年の国立大学法人化以降、大学の経営は政府役人や大企業のトップが委員を務める「経営協議会」が担っています。経営を担うということは運営の根本である予算を握っているということで、経営協議会の持つ権限は非常に大きいです。したがって例え総長がどれだけ良い人であっても、経営協議会を通した国家・大企業の圧力に逆らうことはできません。特に京大の経営協議会には、パッケージ型インフラ輸出・労働運動の解体・集団的自衛権の容認といった国家政策すべてを主導しているJR東海会長・葛西敬之が配置され、京大をグローバル人材育成の要としており、その影響は測り知れません。更には総長選挙をやったところで、最終的に総長を選ぶのは、経営協議会委員が半数を占める総長選考会議であるため、選挙で選ばれた候補が総長になるとは限りません。実際2008年には、富山大学において選挙で選ばれた候補が選考会議で落とされています。

6-2.構成員に決定権がない状態で選挙をしても意味がない
 総長選挙において選ぶのは、大学の方針ではなく決定権を持つ「ひとりの人間」です。選ばれた総長が心変わりすれば終わりですし、そもそも多数決である以上少数の意見を排除しています。投票で選ばれる新総長に期待するのでなく、全ての大学構成員が問題を提起し・全体で議論し・決定できる関係を作る。学生や教職員自身が互いに議論し・団結して真の「大学自治」を取り戻していく行動こそが、現状を打開する唯一の解決策なのです。

7.私たちが掲げる方針
7-1.京大当局の「グローバル人材育成」路線に反対する全学的な団結を作ろう
 5.であげたように、今の大学への怒りはどんどん高まっていると同時に、しかしその闘いの多くは、個々の問題が強行される・あるいは阻止されるという形で終わった瞬間に消滅しています。だからこそ、個々の問題だけでない「グローバル人材育成」という京大当局の「路線」そのものについて議論し、反撃していくことが重要です。例えばTOEFL試験に賛成の学生も反対の学生も、あるいや教員や職員も、すべての大学構成員から決定権を奪い・構成員同士を分断する「グローバル人材育成」に反対という点では一致し団結できるはずです。

7-2.大学の主人公は学生だ! 全学集会で学生の力を示し、大学自治を復権しよう
 大学の主人公は学生です。次の社会を作っていくのは私たち学生です。傍観者を決め込んで、グローバル化し学生同士・労働者同士の共同性が失われていく社会を黙認するのでなく、大学をどうするか・次の社会をどうするかの議論を始めよう。そのための全学自治会です。私たちはクラス討論・運営会議を通してこの問題に関する全学的な一致を作っていきます。そして職員組合や教授会も巻き込んで、今の経営協議会―総長体制を覆し、京都大学を構成員の議論によって運営する真の「大学自治」を復権しよう。
 そのための一つの段階として、京大生の議論を集約し、京大当局に宣言する全学集会を実現しよう。多くの京大生が議論に参加し、全学集会で声を上げることは、京大当局に対するものすごい圧力になります。京大生はただただ大学当局の権威につき従うだけの存在ではないことを見せつけよう。

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Author:京都大学同学会中執
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