2014-11-29(Sat)

激動の11月まとめ(NF講演会 基調提起から)

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現在、11・4京大公安摘発事件を切っ掛けに、連日メディアで京都大学が取り上げられ、全国的に「大学の自治とは何か」「学生はどういう存在か」ということが一大焦点化しています。これはつまるところ、今の戦争に向かう情勢の中で、大学が「戦争国家体制」の一翼に組み込まれることを許すのかどうか、という問題に行きつきます。私たち学生が、とりわけ京大生が社会に何を訴え、何を為していくのかが問われています。
 ここで同学会中執が訴えたいことは2点です。「学生自治会・労働組合にこそ社会の矛盾と対決する力がある」、そして「破綻した安倍政権に代わり、学生・労働者こそが社会の主人公になろう!」ということです。11月2日に逮捕された3学生は11月21日に無事奪還されました。今こそ1%の権力者が推し進める戦争政策に対し、私たち学生・労働者が攻勢に出るときです!

1.この間の経緯

・ 9月30日:松本紘前総長が退任する
 松本前総長は、2008年に京大総長に就任して以来、数々の大学改革を推し進め、学内規制やガバナンス改革により学生や教員・職員の決定権を奪ってきました。そして「グローバル人材育成」を掲げ、大学を国家統制の下で「国益」に寄与する存在とするべく、グローバル大学院「思修館」やTOEFL受験の義務化などの改革を進めてきました。
しかし学内外の反対運動によってそのことごとくが破綻し、世界大学ランキングも52位から59位に転落、最後の望みであった総長選挙廃止と自らの任期延長も、同学会中執を中心とした反対運動によって阻止されました。その後、後継者を作るべく国際公募までしましたが、最終的に何もできずに任期満了での退任を余儀なくされました。松本前総長は、学生の力によって打倒されたのです。

・ 10月1日~:同学会執Cが「大学の戦争協力拒否、安倍政権打倒」を掲げる
 後期開講からは、「グローバル人材育成」の大学改革に加え、7月1日集団的自衛権容認からはじまった剥き出しの戦争政治に問題意識を覚え、同学会執行委員会として「大学の戦争協力拒否、安倍政権打倒」を掲げて宣伝と議論を開始ました。
 これに対する危機感から、国家権力はキャンパスに直接公安警察を送り込み、10月初旬より同学会中執の活動を日常的に監視し始めたのです。

・ 10月15日:この国のために死んでたまるか!京大集会
 同学会中執は、京大から反戦運動を盛り上げていく契機として、「この国のために死んでたまるか! 10・15京大集会」を開催しました。当日は多くの京大生が注目する中で、「香港の学生のように闘おう」と訴えて学内デモを行いました。

・ 10月21日:国際反戦デー@東京
 同学会中執、全日本学生自治会総連合(全学連)、法政大学文化連盟、東北大学学生自治会、広島大学学生自治会、沖縄大学学生自治会の呼びかけで、10月21日国際反戦デーに東京で3波のデモを打ちぬきました。全国から多くの学生・労働者が参加し、安倍政権を打倒し、実際に戦争を止める展望を示しました。

・ 11月2日:労働者集会における3学生逮捕
 同学会中執としても参加した11・2全国労働者総決起集会では、全国・全世界から闘う労働組合・学生自治会が結集し、自国政府の進める戦争と職場で始まっている民営化を阻止し、安倍政権を打倒する決意を打ち固めました。
 そしてこの集会後のデモにおいて、京大生2名を含む学生3名が「転び公妨」によって逮捕されたのです。この弾圧は、沿道の公安警察の方から学生を押し倒したことをもって「公務執行妨害」とする極めて不当なものでした。学生が議論し、今の社会に対して批判することそのものを認めないとする、国家権力の意思の表れです。

・ 11月4日:公安摘発事件
 11月2日の逮捕を受けて、同学会中執は即座に救援のための署名・カンパ活動を開始しました。そしてその宣伝活動の前にまたもや現れた公安警察に対し、「情報を集めて11月2日に学生を逮捕させた張本人が、のうのうと学内で監視活動をしていることを許していいのか」と激怒した同学会の仲間が公安警察を問い詰め、逃げ出したところを取り押さえたのです。この騒動は、これまで学生の権利を奪ってきた京大当局をして「大学の自治の侵害だ」と言わせ、職員と共に公安警察を学外に追放するところまで行きつきました。

・ 11月7日:同学会中執による記者会見
 11月4日の事件の後、マスメディアによってこの問題が「一部の暴力的な学生が警官に暴力をふるった」というような内容に矮小化されないために、11月7日に同学会中執による記者会見を開き、「これは国家権力による大学の自治の侵害だ」ということを鮮明にしました。結果として偏向報道は続いたものの、ネットを中心に「大学の自治」が大きな話題になりました。

・ 11月12日:全学緊急抗議行動
 全学、全国で巻き起こった「大学の自治」に対する問題意識を、ひとつの方針にまとめ上げるものとして、学内外の団体に呼びかけ、11月12日に同学会中執を先頭に「11・12全学緊急抗議行動」を開きました。ここには農学部自治会・熊野寮自治会からの抗議声明も出され、全学的な団結を作る契機になりました。
 当日は全国から様々な学生自治会・労働組合が集まり、昼休みの抗議集会は延べ600名、夕方の討論集会は150名の参加を勝ち取り、「どうやったら今の社会を変えられるのか」という真剣な議論が交わされました。
 最後には「京都府警はただちに謝罪すべき」「3学生を今すぐ釈放すべき」「山極総長は正式な声明を出すべき」の3つの方針を議決し、参加者全員が闘う決意を固めました。またその後の総括会議において、全学的な反撃のための自治会同士の合同会議が方針化されます。

・ 11月13日:熊野寮への家宅捜索
 この一連の高揚を押しつぶし、「大学の自治」そのものを破壊し大学の戦争協力体制を作るものとして、11月13日の熊野寮へのガサはありました。この日、約150名もの公安警察・機動隊が警視庁本部から動員され、また大量のマスメディアを使った中身のない「過激派」バッシングを行うことにより、学生自治の砦たる熊野寮自治会を恫喝すると同時に、「『過激派』を認めるような大学の自治なんて破壊しろ」とキャンペーンを張ったのです。

・ 11月17日:京都府警への抗議文提出
 11・12の方針を具体化したものとして、また京都府警が11月4日の事件を「正当な職務執行だった」としたのを受けて、同学会中執から京都府警へ抗議文を提出しに行きました。しかし11月4日公安摘発事件に関して「抗議文は受け取らない」「理由を言う必要はない」と拒否されました。その後警備二課に直接出そうとする学生有志を警官が取り囲み恫喝するといった一幕もあり、今回の事件に対する府警の焦りが見える結果となりました。

・ 11月21日:11・13ガサに対する熊野寮自治会の声明
 11月13日のガサを受けて、熊野寮自治会から警察・マスメディアの行動を不当とする声明が出されました。この声明において、あらゆる学生の教育を受ける権利を保証してきた寮自治会の社会的意義が語られ、「大学の自治」を反社会的なものと描き出すマスメディアのキャンペーンに対する最大の反撃がなされています。

・ 11月21日:3学生の釈放
 11月2日から20日間に渡って不当に拘留された学生3名でしたが、同学会中執を中心とした様々な反撃、全国的な高揚の中で、起訴されることなく無事釈放されました。
 11・4公安摘発事件を契機に爆発した一連の事件は、学生自治会で団結すれば、不当な弾圧を跳ね返して仲間を取り戻し、逆に国家権力の不当性を暴いて反撃できるという展望を示しました。ここに確信をもって、さらに強固な学生自治会の団結を作っていきましょう!


2.安倍政権を解散に追い込んだぞ
 この間の経緯でも示されたように、「大学の自治」をめぐる問題は、今の世界的な戦争情勢、安倍政権の戦争政治と一体です。では、今その安倍政権はどうなっているのか。
 08年のリーマン・ショックで誰の目にも明らかになった世界経済の破綻は、今日ますます矛盾を深めています。それは、過剰生産・過剰資本によって成長できなくなった資本主義が、労働者の基本的な権利=交通・郵便・医療・教育をも金もうけの手段として民営化し、非正規職化による賃下げと合わせて延命しようとした「新自由主義」が、最後的に破綻したということです。この破綻は、もはや戦争によって市場を分捕り合うしかないところにまで来ています。
この流れの中で、安倍政権は集団的自衛権の容認を強行し、日米ガイドラインの改定によって、地球の裏側まで自衛隊を派兵し武力行使ができる戦争国家体制を作ろうとしているのです。しかし「自衛のため」「国益のため」、そういって行われる戦争で得をするのはいったい誰なのか。殺しあわされる人民を尻目に利権を貪る1%の権力者でしかないではないか! 一方でこの怒りに直面し、追い詰められているのは安倍政権の方だと捉えることが重要です。
 先日、日本経済の7~9月期GDP統計速報値が1.6%減だったと発表されました。4~6月期の7.3%減を「消費増税の影響だから仕方ない」とし、追加金融緩和も行ってこれで大丈夫だと高をくくった矢先のマイナス成長は、「GDPショック」として大きく騒がれています。世論調査で8割超の人が「景気が回復している実感がない」と答えたのと合わせて、マスコミを使ってさんざん宣伝してきたアベノミクスの幻想は完全に砕け散りました。
 日本経済の危機を乗り切るために打ちだされた、原発や鉄道などの発展途上国へのインフラ・パッケージ輸出=海外市場の侵略も、輸出元の国内における3・11以降の根強い反原発の闘いや、民営化反対の闘い、加えて輸出先の労働者の賃下げ・非正規職化反対の闘いによって、ことごとく破綻しています。
 また沖縄県知事選挙では、辺野古新基地建設を進めるために自民党が総力を挙げて支援した仲井間知事が大差で落選するという事態が起きました。大学の戦争協力という点では、今年5月には東京大学で軍事研究の要請が拒否され、この度京都大学では公安摘発によって戦時下体制の基礎である「国家権力による日常的監視」そのものが粉砕されました。「戦争国家体制」を構築する上での柱が次々に打ち砕かれています。広範な労働者・学生の「こんな社会は嫌だ!」「生きさせろ!」の決起によって、安倍政権は経済の面でも軍事の面でも完全に行き詰まり、ついに21日に衆院を解散するところまで追い込まれたのです!

3.学生自治会にこそ社会矛盾と対決する力がある
 戦後の学生自治会は、第二次世界大戦で大学が国家の統制下におかれ、軍事研究や学徒出陣など戦争に協力させられた歴史を反省し、「二度と戦争の惨禍を繰り返さない」という決意のもとで再編されました。そして60年、70年安保闘争に代表される学生自治会の闘いが、大学と学問が戦争動員に利用されるのを阻止してきました。東京大学が防衛省からの協力要請を拒否したのも、こうした闘いが生み出した成果です。
 一方で、2004年の国立大学法人化を象徴とする新自由主義政策が大学に導入される過程で、全国の多くの大学から自治、学生の横のつながりが破壊されていきました。100以上の大学自治寮が廃寮や管理化の憂き目に遭い、全学自治会やサークル自治会が解体され、学内規制や「グローバル人材育成」に代表される大学改革が、学生の権利を奪い続けてきたのです。

 しかし今回の公安摘発は、今一度学生自治会で団結すれば、社会の矛盾と対決して勝利できることを示しました。大量の機動隊とマスメディアを使ってネガティブキャンペーンを張っているのも、学生自治会が持つ力を恐れているからに他なりません。実際、この一連の流れにおいて、逮捕された3学生は無事に釈放され、公安を摘発した学生も逮捕されることなく元気に活動しています。

 学生自治会の原則は何か。「学生の利害に立ち、学生の権利を守る」、そして「一人の仲間も見捨てない」ということです。差別によって研究室を追い出された学生がいれば、一緒に抗議する。入国管理局にとらわれた留学生がいればまず会いに行く。逮捕された学生がいれば救援活動を行う。他にも学費・就活・奨学金・学内規制・単位など、さまざまなものによってがんじがらめにされた今の学生の困難に寄り添い、一緒に解決する道を探す。こうしたひとつひとつの取り組みの先に、更に強固な学生自治会の団結や発展、そして次の社会を作る展望はあります。それは、労働組合も同様です。

 資本主義社会が破綻していく中で、世界中の権力者が戦争に駆り立てられています。しかし、実際に戦争をやるのは現場の労働者・学生です。運輸労働者がストライキすれば戦争物資は運ばれず、基地労働者がストライキすれば戦闘機は飛ばず、学生がストライキすれば軍事研究は進まず、自衛隊がストライキすれば戦争は始まらないのです。実際に社会を動かしているのは徹頭徹尾現場の労働者であり、学生なのです。戦争を止められるか、労働者・学生が社会の主人公になれるかは、この階級的団結を作れるか否かにかかっています。

 確かに今は大変な時代です。学生にとっては、ひとつ単位を取り損ねれば、留年し、学費を払えず、就活を失敗し、奨学金を返せず、生きられない状況に追い込まれてしまう。こういった恐怖が蔓延し、今の社会がおかしいと思っても行動できないという学生も多いのではないでしょうか。また労働者にとっては、多くの労働組合指導部が権力者に逆らわないという現状もあります。しかし、安倍政権に代表される戦争政治を認めた先にあるのは、世界中を更地にする第二次大戦以上の惨禍です。

同学会中執は今回の件を通じて、例えどのような弾圧があっても絶対に負けない団結を作り示したつもりです。3学生が逮捕された11月2日の労働者総決起集会に集まった5700人は、まさにこのような団結をもった学生自治会・労働組合の結集体です。この団結を全国に押し広げ、学生自治会・労働組合を復権した先に、次の社会の展望があります。すべての京大生、すべての労働者・学生に共に闘うことを呼びかけます。同学会中執はこの情勢の中で、人生を懸けてみなさんと団結して闘う決意です。

中執 大森

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