2013-04-07(Sun)

入学式が行われました。

同学会もオフィシャルに登場してマイクアピールをしました。
以下は総長の式辞です。京大のホームページより引用しました。

平成25年度学部入学式 式辞 (2013年4月5日)
第25代総長 松本 紘

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 本日、例年よりも優しい薄緑の柳の新芽が風にそよぎ、桜舞うこの「みやこめっせ」に参集の3,025名のみなさん、京都大学に入学おめでとうございます。都大路にはすでに躑躅の花もところどころ見受けられ、厳しく長い冬を経て、雪解け後に様々な草花が一斉に開花を迎える北国の花畑を髣髴とさせる状況に、身のまわりの気象の変化を強く感じました。自然現象と同じく、人間社会も疾風怒濤のごとく変化しています。

 ご来賓の長尾真 元総長、尾池和夫 前総長、列席の副学長、各学部長、部局長、および教職員とともに、みなさんの入学をお祝いしたいと思います。また、みなさんの日々の研鑽が見事に実を結びましたことに敬意を表します。そして、これまでみなさんを支えてこられましたご家族や関係者のみなさまに心よりお祝いを申し上げます。

 2011年3月11日に起こった東日本大震災による国難は今なお続いています。国を挙げての復旧や復興はまだ途上にあるといわざるを得ません。被災地から離れた京都においても、長く心を寄せ、被災地の苦難を我がこととし、復旧と復興を積極的に支援し続けていかなければなりません。今、大学に入学するみなさんはこのことを肝に銘じ、自ら行いうる貢献を主体的に行ってください。

 さて、みなさんは、入学後の様々な可能性に心躍らせ、今日を迎えていることでしょう。これまで十分にできなかったスポーツや趣味、社会活動の機会や新しい友との出会いがみなさんを待っています。選択肢は無限です。みなさんはもしかすると、いわゆる「楽勝科目」で単位をそろえ、残りの時間は学生時代にしか出来ないことをやろうと考えてはいませんか。確かに大学生活で勉学以外のことに時間を費やすことは一つの選択です。しかし、勉学はそれにもまして重要なのです。「淮南子」に「時は得難くして、失い易し」とあります。世界で活躍している本学の卒業生と話をすると、みなが異口同音に言うことがあります。「大学でもっと勉強しておけばよかった」。勉強なんていつでもできると今のみなさんは思っているかもしれません。先輩方もそう思ったのでしょう。現代社会においては一生学び続けなければ、冒頭でふれた疾風怒濤のように流れる社会の動きについていくことはできません。大学で学ぶことは将来を通じて学ぶ基礎となるものです。例えるならば、人間の歩みとともに蓄積されてきた知識の宝庫を開く鍵を手に入れることが、これまで受けてきた教育以上に、大学での学び、とりわけみなさんの直ちに受ける教養教育によって可能となるのです。そして、そのような基礎作業は頭が柔軟なうちが効果的で、その果実は時間をかけて徐々に熟成していくものなのです。みなさんの人生の基礎を築く時間は、今を除いては、実はそんなにありません。京都大学としては、この4月から国際高等教育院を設置し、教養教育の改善に着手します。試行錯誤しながら、最善の教育をめざし、大学はこれからも変わっていきます。その過渡期に入学したみなさんは、易きに流れずに、しっかりと勉学に勤しんでほしいと思います。

 大学生になって、今日からみなさんは新たな経験を様々にしていくことでしょう。しかし、クラブ活動であれ、授業であれ、書物を通じた経験であれ、経験というのはいくら積んでも、そのままではその人を変えるものではありません。経験を自分で咀嚼し、消化し、同化する能力をつけないと自分のものとはならないのです。同じことを経験しても、ある人はそれを糧に伸びる場合もありますし、全然変わらないこともあります。知らず知らずのうちに半可通になって、むしろ退歩する人さえいます。やはりそこには、自分を向上させたいと思い、自分を鍛え、他人に頼ることなく、自分自身に恃む、自鍛自恃の気概がないと経験はわがものにはならないと思います。

 現在、京都大学にはおよそ3,000名の教員と2,500名の職員、22,000名の学生がいます。京都大学で出会い、そこで育まれる人間関係は、きっとみなさんのこれからの人生を豊かなものにすることでしょう。学業のみならず、課外活動やその他の出会いを大切に、生涯の知己を得、多くの人々と自ら進んで人間関係の綾を織りなしてほしいと思います。人間は己が考えるほどには、一人では何もできないものです。取り巻く周りの環境によって大きく左右されるのです。それゆえ、親友に巡り合う、あるいは良い書物に巡り合うための努力を積極的にする必要があります。また、ひとりで努力しても解決できないことはたくさんあります。運、不運もあります。人から間違った方向に感化されてしまうことさえあるかもしれません。そのようなとき、常に人間関係も含め、自分の置かれている環境や自らを省みることが重要です。そして、その中から自分で確信の持てるものだけを選り抜き、可能な限り早い段階に自分自身の思想や人生哲学の骨格を形づくり、それに肉付けし、今と違う自分を確立してほしいと思います。「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」。後輩もすぐあなた方につづきます。時の移ろいはみなさんが考える以上に早いものです。

 また、知識は危ないということを忘れないでください。今の社会を生きるためには知識は確かに必要ですが、知識をそのまま金科玉条の如く信じてしまうことは危険です。特に私はインターネット時代の今それを強く感じています。レポートを課すと、インターネット上の情報などをいわゆる「コピぺ」をして、全部同じレポートが出て来るといった笑えない状況が日本各地で起こっているそうです。そして、考えない。知識や情報が増えれば増えるほど、人間は考えないようになってきているのではないかと思います。それゆえ、溢れ出る情報を取捨選択する力、これをつけるのが大学において最初に学ぶべき事柄ではないかと思います。選択のうえ、自分の頭で常に考えてほしいと思います。

 併せて、みなさんは時代が要請する国際性を養う必要があります。それは単に外国語ができるということではなく、歴史に学び、自国の文化をしっかり背景に持ちながら、自分の考えを国際社会で主張できる論理的な思考能力、発信能力、自分の意見を恥ずかしがらずにいえる積極性や自主性を備えることにほかなりません。そのためには練習や経験も必要です。ぜひ大学時代に、十分に練られた計画と準備のもと、海外留学を経験してほしいと思います。大学として体制を整備し、みなさんの雄飛をできる限り支援したいと思います。

Adversity makes a man wise.

 多くのみなさんはこの英語のことわざをご存知かと思います。日本語では、「艱難汝を玉にす」と訳されて人口に膾炙しています。私は、みなさんがこれまで十分に艱難を経験する機会に恵まれなかったのではないかと真面目に心配しています。「これまで困難な目に遭わなくて幸せで、それに遭う機会に恵まれない」と聞いて、不思議なことをいうものだと首をかしげている人もいるかもしれません。みなさんの同級生にも失恋したり、勉強がついていけないと思って、やめたり、挫けたりした人もいたと思います。親の経済的困窮で進学を断念した人だっていたはずです。世の中は自分が引き起こした艱難ばかりではなく、不可抗力的に被らざるを得ない艱難に満ち溢れています。艱難はあらゆる場所で口を開けて人を待ち構えているものなのです。艱難を乗り越える力は、過去に艱難を乗り越えた経験によってのみ鍛えられます。多分ここにいるほとんどのみなさんは、大きな艱難にこれまで遭遇できなかったことでしょう。艱難に遭遇し、乗り越えた人は強くなります。イギリスの詩人オリバー・ゴールドスミスは「私の最大の光栄は、失敗しないことではなく、失敗するたびに起きあがることである」といっています。確かに多くの人は起きあがれません。再挑戦できないのです。乗り越え、何度でも再起する粘り強さをみなさんに持って欲しいと思います。「堅き樫の木より、しなやかな柳のごとくあれ。」という言葉を贈ります。

 最後に、伝統を基礎とし革新と創造の魅力・活力・実力ある京都大学を目指して、今後大学の教育・研究環境を充実させていきます。本日ご臨席のご家族や関係者のみなさまには、引き続き、本学への支援や応援を切にお願い申し上げます。入学生のみなさんは、大学における様々な機会を生かし、溌剌と輝く京大生となられんことを祈念し、私の入学式の式辞とさせていただきます。

 京都大学への入学、おめでとうございます。
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