2015-05-19(Tue)

職組裁判その後

京大職組が5月13日に掲示を出しました。
写真 2 (1)

同学会中執は5月12日から何日かにわけて、報告ビラをキャンパス全体に撒きました。
写真 4

以下中執ビラの内容
職組賃金裁判敗訴! 大学は国家の要請に従うな!

5 月7 日に行われた職組による賃金裁判の報告をします。
裁判は原告側の主張、訴えは棄却、原告団115人の敗訴でした。

主な理由:
①京都大学の給与規定により大学職員は「国家公務員に準ずる立場」と位置づけられており、京大当局は、国の賃下げ要請には従う必要があったということ。
②今回の賃下げは労使関係における不利益変更には当たらず、社会一般の情勢に適合するために妥当な賃下げであったということです。

前提:東日本大震災の復興予算を確保するという名目で運営費交付金が減額され、その結果として教職員の賃金が2012 年夏から2014 年3 月まで一時的に削減されていました。まず国家公務員の賃金が減額されたことに合わせて公務員に準ずる存在として大学の教職員の賃金を減額するよう国から要請があり、このようなことになりました。これに対して全国の大学で大学当局を相手に教職員が減額された賃金を求めて訴訟を起こし、京大では2013 年6 月に96 人(後に115 人)の原告が訴訟を起こしました。この賃金訴訟について、冒頭に示した通り、原告の完全な敗訴となりました。
その総括を私たち同学会中執の立場から行います。

総括:
①の理由について、国立大学法人化により民間労働者となり一方で公務員に準ずるという、最大限弱められた職員の立場を利用して、労働者として当然の労働基本権が侵害されているということです。そして②の理由と合わさることで、「社会一般の情勢」という他の国立大学で同様の賃下げが起こっていることや、国家公務員が賃下げされていることを根拠に、国家の要請に従って教職員の賃金を下げた、ということがわかります。

しかし今の安倍政権が進めていくような新自由主義社会における「社会通念」とは、実体経済よりも資産経済、労働者の生活よりも株式投資、安全よりも金儲けを優先する社会通念に他なりません。それは川内原発再稼働阻止の仮処分についての判決、「社会通念上安全と認められる場合は再稼働してよい」ということと同根です。

さらに、全国での賃金訴訟ですでに判決が出ている福岡教育大や高等専門学校(高専)ではその財務状況から賃下げをする「高度な必要性」が認められていました。しかし京大の判決では財務状況に問題はないと判断されました。また京大当局が主張した「黙示の同意」(「減額された賃金を文句なく受け取っただろ」ということ)も一蹴されました。そして残るは「国からの要請は事実上の強制」という論。結局はこの論が今回の全国的な賃下げを正当化するものだったのです。

職組の西牟田委員長はこの敗訴を「大学自治の問題だ!」と総括しています。その通りだと私たちも考えます。そしてもっと言えば私たちは、大学の無責任さを透かした向こうに見えることは、本当の敵は国家だということがはっきりした裁判だったと総括します。現在大学改革が急ピッチで進められています。それは「国の意思を法人運営に反映させ」る(「提言これからの国立大学の在り方について」2000 年自由民主党政務調査会)ための改革であり、その過程で学生や教職員の権利が奪われるといったあらゆる団結破壊が行われ、ついには大学自体が政治的に無責任な体質へと変貌してきています。

京大においても大学運営の基盤的な資金である運営費交付金が削減され、外部資金に頼らざるを得ない状況が発生しています。その表れが最近のiPS 細胞の研究に対して武田製薬が200 億円の資金協力というニュースでした。そしてその裏で国際科学イノベーション棟においての軍事研究が心配されます。周知のとおり大学当局は軍事研究について全く見解を持っていません。すべて企業の金儲け(そのためには戦争も辞さない!)のために大学の資源が利用されるようにするのが「国の意思」です。しかし大学はこれからの社会を作っていく場所であり、国債暴落、金融恐慌、国際競争の末の破壊しかもたらさない戦争にまで行き着く政権と対決する「反戦の砦」である大学像を、私たち学生が行動により示していく必要があります。

以上が中執による総括です。
賃金訴訟について原告側は大阪高裁に控訴をするようです。

私たちはこれまで通り、
①京大当局の横暴な賃下げを全学化し、学内の対当局姿勢を強化する。
②単なる賃下げ問題に議論を押し止めず、「大学を国家に従属させていく」法人化体制そのものの問題として、軍需産業との産学連携にまで行き着くような大学の政治的立場の消失の問題として、幅広い時代認識を作っていく。
③時代認識をめぐる議論を学内で活性化させた上で、大学自治に対する、学生、教職員の立場を形成していく。
④闘う職員と連帯し、全学的団結を作る。

の観点を持ち、闘っていく決意です。

京都大学全学自治会同学会
中央執行委員会
dougakukai.kyoto@gmail.com

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