2012-10-10(Wed)

ノーベル賞と福島と学問と

 まずはこれを見て欲しい!

山中ノーベル賞

 京都大学にまた1人ノーベル賞受賞者が誕生したのだ!

 業績は「成熟した細胞を、多能性を持つ状態に初期化できることの発見」。山中教授は、さまざまな種類の細胞に変化する能力をもつ人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り出した。自分の細胞で病気になった組織や臓器を治療する「再生医療」に道を開いた。 (東京新聞)

 なるほど。
 これは凄い
 SF好きの自分としては、クローン豚を思い出さずにはいられない。

 しかし、この記事を見たときにあることを思い出す。

 それがこの記事。
 甲状腺がん
 
 福島の健康調査の報告。(写真は毎日)

 これは、福島原発事故時に18歳以下だった福島県民38万人を対象に行われた健康調査で、今年度調査した4万3千人の内、44%にも上る子供たちの甲状腺から異常が見つかったというももの。
 昨年と比較しても8%上昇しているという。

 これに対して学者はなんと言っているのか。
 鈴木真一教授(福島県立医科大学)は「チェルノブイリ事故後の発症増加は最短で4年」などとして、福島第1原発事故との因果関係を否定した。(毎日新聞)
 
 いくら何でも無理がないか?
 ここでは展開しないが、すこし調べればこれがどれほど事実を歪曲した発言なのかわかる。

 僕がなんでこんなことを持ち出しているのかというと、
 どんな素晴らしい科学技術も、社会に還元されない限り、全くの無意味だと思うから。

 原発事故以降の福島の現実は、人類を豊かにする科学が、ストレートに社会に還元されるわけではないことを証明したように思う。
 そして、その力学がいかにして生まれているのか。

 山下俊一教授の発言を引用しておこう。
 小さながんも見つかるだろうが、甲状腺がんは通常でも一定の頻度で発症する。結論の方向性が出るのは10年以上後になる。県民と我々が対立関係になってはいけない。日本という国が崩壊しないよう導きたい。チェルノブイリ事故後、ウクライナでは健康影響を巡る訴訟が多発し、補償費用が国家予算を圧迫した。そうなった時の最終的な被害者は国民だ。(毎日新聞)
 
 国家財政と医療を対置させて展開される「学者」という権威。
 もっともらしく聞こえるこの中身こそ、私たちが考えなくてはならない学問と社会のギャップではないか。

 戦後生まれた大学自治の思想とは、このギャップを巡る総括である。
 それは、ギャップを埋める行為もまた、大学において必須の責務であるということであったはずだ。


 同学会もまたその責任を負っている。
 この数日間。あらためて、そんなことを考えた。
 

 

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