2016-03-21(Mon)

奪還闘争の総括(1)

 バリストへの弾圧は3月18日の6人全員奪還という学生の勝利に終わりました。奪還闘争の過程で多くの学生が立ちあがり、街頭の労働者や市民からも圧倒的な支持を寄せていただきました。ご協力いただいた方々に改めて感謝いたします。
 中執の方から今回の闘争の総括をしていきたいと思います。

 昨年10月27日に行なった反戦バリストに対する弾圧は、バリストから4か月後の2月29日から3月1日にかけて行われた。全国で13カ所が家宅捜索され、作部委員長を含む6人の学生活動家が逮捕された。家宅捜索先にはバリストとは何の関係のない労働運動の拠点も含まれており、全国的な反戦運動や反政府運動に対する弾圧だった。また学生の下宿に対する家宅捜索ではバリストとは一切関係のない卒業アルバムや卒業論文なども押収された。
 この事件に対して京都大学は3月1日付で声明を発した。短いので転載する。
 

 平成27年10月27日に、一部本学学生を含む多数の学外者によって吉田南一号館が封鎖された事件に関連し、平成28年2月29日から3月1日にかけて、本学の学生外が京都府警察に逮捕されました。

 本学の学生が、授業を受ける他の学生やそこで働く教職員の迷惑も顧みず、到底一般社会では許されない犯罪行為に関与したことは、誠に遺憾です。

 本学は、本件捜査に協力するとともに、学内でも厳正な対処を検討してまいります。


 この声明は京大当局の転向を示すものとして決定的であることはこの間何度も確認してきた。それを理解するために近年の大学と警察を巡る伏線を探っておこう。

 近年の大学と警察を巡る問題について明示的に表れた問題は2014年11月に公安警察が学内で摘発された問題であった。この事件までは大学と警察とは一種の緊張関係が確かにあったと私は考える。警察が大学内に入る時は事前通告が必要である。寮に家宅捜索が来た時に大学当局の対応が不誠実であったとしても、大学当局が警察に抗議文を提出したことによって運動側はそれ以上対当局の行動をしなかったように私には思える。さらに公安事件の直後にも杉万副学長(当時)が「事前通告なしに警察官が構内に立ち入ることは誠に遺憾です」(産経WEST 2014年11月8日より)とコメントしている。
 転換はこの後の山極総長のコメントにおいて確認される。産経WEST(2014年12月16日)によれば山極総長は公安による無断の活動について苦言を呈したうえで、以下のようにコメントしている。

学生や教職員の活動については「世間を騒がせるものであってはならない」としたうえで、「大学の自治には強い責任が求められる」とも指摘。今後については府警と話し合いを続けているといい、「世間の常識に照らして双方が合意すればよいのではないか」と述べ、何らかの文書を交わす必要はないとの考えを示した。


 その後大学と警察がどのような関係を実際に結んだかは不明である。(なお2015年の夏から初秋にかけて学生運動弾圧が起き熊野寮が不当に家宅捜索されたことを、山極体制下で黙認しているとして中執は追及してきた。)
 しかしこのような大学の「世間の常識に照らして双方が合意すればよい」立場は、2015年10月のバリストに直面して、警察と共に学生運動を弾圧するものとして具体化したのである。それだからこそ3月1日付の京大の声明において、バリストは「到底一般社会では認められない」として「世間の常識」を持ち出したのである。

 ところで京大当局が「世間の常識」や「一般社会」を持ち出したことは学生運動弾圧だけに見られるものではない。教職員の賃下げ問題でもこの論理が用いられた。東日本大震災の復興費用に充てるため運営費交付金が削減されたため2012年夏から2013年度まで一時的に賃下げが行われていた件について、京大職組が京大当局を相手取って裁判を起こしている(現在は高裁)。地裁判決で賃下げは正当とされたが、その理由は「国の再三の要請があった」「全ての国立大学が賃下げに応じるという社会一般情勢があった」「賃下げの計算式が不合理であったとしても、大学財政が賃下げの理由ではない」であった(京大職組HPより)。ここで重視したいのは前二つの理由である。全国立大学に対する国からの要請と、各大学がそれに従っているという「社会一般情勢」によって賃下げが正当とされたのである。これは国=国家権力そのものが作り出した情勢に大学が無批判に乗っかるということである。
 
 さて話を戻して学生運動弾圧について。賃金問題で確認したように国家権力が作り出す情勢(あるいはシナリオ)=「世間の常識」・「一般社会」に大学が無批判であることは学生運動弾圧でも往々にしてあることであし、それに対して学生は常に闘ってきた。その上で先述のような大学と警察間の緊張関係が想定されていた。なお私たちは2015年5月31日に河原町をデモ行進したが、その時のコールでは以上の様なことや単位と座席に学生を縛る現状を想定して「大学の無政治性には嫌気がさした、常識を疑う場所ではなかったか!」と叫んだ。
 今回のバリスト弾圧と3・1声明が決定的な転換だというのは、資本主義体制下での国家権力が本質的にストライキを嫌い、そもそも人間の団結をも憎悪するなかで、京大がその資本の理論を体現し学生によるストライキを「一般社会」によって「犯罪行為」と断罪し、主体的に警察を導入したことにある。そしてこのことは本質的に賃金裁判で明らかになっていることと同じであるが、大学の主体性と言う点ではより踏込んでいる。「大学の無政治性」から一歩進んで「大学の自暴自棄性」といおうか。ニヒリズムが狂信に転化するのと同じことだろうか。さらに言えばストライキという団結して労働・研究をしない・させないという人間が持っている根本的な力に関することだからこそより重大な問題である。
 しかし『「一般社会」はストライキを到底認められない「犯罪行為」とみなす』という京大の思惑は奪還闘争において見事に粉砕された。このバリスト弾圧を認めないということについて集まった署名は3週間で2000筆を越え、しかも検察は6人を起訴できなかったのである。

(書記長)

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