2016-10-26(Wed)

10.21国際反戦デー集会 文章

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「韓国で闘う学生のように、ベトナム反戦闘争を闘った当時の学生運動のように、本気で世界を変える闘いをやろう!」(集会基調より)。京大同学会中執と全学連が呼びかけた「10・21国際反戦デー闘争in京都」は、韓国ゼネストと連帯し、学生の自己解放的な怒りと行動で戦争・改憲をうち破る闘いとして成功した。

 当日昼の京大キャンパス集会&デモは大高揚した。本部時計台前には4学生処分撤回ののぼり旗と「バリスト1周年/戦争阻止! 処分撤回!」と書かれた看板がいくつも並び、太鼓とブブゼラが鳴り響く。解放的雰囲気の中、集会開始が宣言された。
 
 作部羊平同学会委員長が基調を提起した。「戦争と大学自治をめぐる攻防だ」「刑事告訴に無期停学処分、看板破壊と集会禁止、5千を超える署名の受け取り拒否。山極体制は安倍の改憲・戦争への道を掃き清めている。しかし、僕たちの行動でこの現実がどんどん変わっている」と訴え、京大生の思いを共有して昨年を超えるストをやると宣言。年内3万筆の署名と無数のクラス決議で無期停学処分を撤回させよう、11・6集会に決起しようと呼びかけた。
 
 赤嶺知晃・全学連副委員長のアピールに続いて、京大生が次々発言に立った。「学生、労働者など、あらゆる人々がここに集まり一つの社会ができている。昨年のバリストから1年間で作ってきた成果だ」、「処分されるべきは山極・川添だ」、「『悪法も法なり』では戦争を止められません」と核心を突いた発言に拍手が沸き起こった。
 
 京大生と同学会の闘いの前進に追い詰められた山極壽一総長体制は、またしても10月20日付の「告示第7号」で集会禁止措置をうち出し、当日は学生課窓口を封鎖して署名の受け取りを拒んだ。これこそ「大学の戦争協力」だ。しかし、学生の行動で変えられない現実はない!  闘う学生のエネルギーが生き生きと発露される集会に、京大生や京大見学の高校生、労働者・市民が立ち止まってカメラを向け、発言を聞いていく。同学会ビラは次々受け取られ、用意した数百枚はあっという間になくなった。
 
 集会後の学内デモで、時計台前集会の解放感はキャンパス全体に一気に波及。勢いそのままに京大包囲デモに突入した。キャンパスに取り残された弾圧職員は茫然と突っ立っていることしかできなかった。
 昼の高揚を引き継いで、夕方の市内デモへ。仕事を終えた労働者が合流して膨れ上がった隊列は祇園を通り抜け、圧倒的注目と声援の中で八坂神社までデモを貫徹した。

 10・21国際反戦デー闘争の成功をさらに拡大させ、韓日11月国際共同行動に大結集しよう! 処分撤回3万筆署名とクラス決議の力で第2波反戦ストへ進撃しよう。団結! 闘争!
2016-07-25(Mon)

昼休み宣伝への大学当局の悪行

7月14日無期停学処分を下してからの、大学当局の悪行(一部)です。

●7月15日昼休み 処分撤回の宣伝活動を妨害。カメラをまわしながら処分当該に退去を迫る。盗撮やめろ!自分たちこそ帰れ!!
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学生は大注目!
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●7月19日昼休み 代議員会の宣伝と流しそうめんのイベントを妨害。カメラをまわしながら処分当該に退去を迫る。盗撮やめろ!自分たちこそ帰れ!!
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何を被害者っぽく手を掲げているんだ!!!
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カメラで盗撮し、警察に学生の情報を平然と売り渡しているのは、あんたら職員だろ!!
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学生の前でカメラの映像をどう使うか説明してみろ!!!

●7月25日昼休み こちらから自らの不退去と、職員の退去を先制通告。
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看板出動!
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設置!!
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主導権を奪われて、怒り狂う藤田学生課長。
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恥さらしににも手を掲げる藤田尚弥学生課長
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当該のビラ配りに暴力を加える藤田尚弥と、盗撮職員。
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妨害を突破!!試験期間お疲れのかき氷を配り、宣伝活動を貫徹!輪が広がる!
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最後は、雨が降り出して大学当局は退散!!弱小!!

来るべき全学反戦バリストを前に、大学当局は今まで犯したすべての悪行を懺悔し、後悔せよ!!!

2016-04-12(Tue)

過激派注意ビラについて ②

 過激派注意ビラを再掲します。
 この内容があまりにも馬鹿らしいので書く気にもならないのですが、押して反論を書きます。
 私たちが世間的に過激派だと考えられていることはそのことにつては書きません。大学当局の明らかな矛盾を暴きます。

 まず、「学習会系サークル」ということが言われます。同学会中執は学習会を呼びかけることもありますが、基本的には活動団体として学生の前に登場します。新入生に対しても同様です。それでも「学習会系」というところに当局の悪意を感じます。つまりこれは私たち中執のことではなく、ある別サークルについて言っているのだと考えられるということです。もしそうならばそれは京都府警の誤った認識による入れ知恵に他なりません。実態を知ることなく警察の言うことに従うことは大学として恥ずべきことです。

 次、「過激派の正体を隠し」ということについて、私たち中執はバリストをやったことについて新入生に隠すことはしません。むしろ宣伝しています。執行委員の中には堂々と中核派の機関紙「前進」をまく人もいます。なにも隠していません。

 次、「勧誘時の団体名や活動説明と実際の団体名や活動実態が異なる団体は特に注意してください。・・・社会情報がみな誤りであり、この団体の言うことだけが正しいなどと情報操作・情報規制をされたらすぐ逃げてください。」ということについて。
 「団体名や活動説明と実際の団体名や活動実態が異なる団体」は「京都大学」であることが先日の吉田寮自治会と教学部長とのやり取りの中で判明しています。つまり吉田寮の入寮募集停止について部長は「会議名もなく、議事録もない会議によって決められた」と発言しています。その正体不明の会議体によって「京都大学」が名乗られていたのです。学生は「京都大学」こそ注意すべきです。
 その上「京都大学」から「すぐ逃」げることはほぼ不可能です。退学しろとでも言うのでしょうか。
 そして「京都大学」の言うことだけが正しいなどと情報操作・情報規制をするための「川添新聞」こと「Campus Life News」も情報公開連絡会を潰して創刊されました。
 このような事態は大学として恥じるべきです。

 このブログは大学当局も見ているそうです。こそこそ見てないで学生の前に登場してみろ。馬鹿やろう。

過激派注意
2016-04-12(Tue)

過激派注意ビラについて

 今年の新入生に配られた過激派注意ビラを入手しました。
 毎年カルト団体に注意ビラはあるのですが、去年から過激派注意が加わり、今年から特に詳しく展開されています。クラス討論とか具体的な内容に踏み込んでいますね。
  別に大学当局が同学会中執について注意を呼びかけることは何度も行われてきたことですし(それでも馴れずに弾劾しますが)、当局は敵だと思っている身にしてみればどうってことない話に違いないはずですが、どうもこの紙を見ていると悲しくなります。

 バリスト弾圧の過程で、弾圧と滝川事件の類似がしきりに指摘されました。つまり満州事変が起こり日本が侵略戦争を開始していく中で国内の反戦運動や反政府運動が取り締まられ、それが大学に及んだという情勢が現代とよく似ているということです。
 滝川事件自体は1933年、自由主義的刑法学説が問題にされて、結局滝川教授を含む法学部教授陣の辞職によって収拾されました。この事件に対して京大法学部教授陣はよく闘いましたが、他学部・他大学は沈黙し、良心的な教授による個人的な支援にとどまりました。
 一方学生は全国的に反応して闘いが巻き起こりました。京大や東大で学生集会が何度も開かれてこの事件について討論し行動しました。またその議論のあり方は非常に先駆的で民主的なものだったことが言われています。学生は現実の問題を見据える中で自ら解決へ向けた行動を組織することができたわけです。そしてなぜそれができたか。当時ドイツでナチスが全権委任法を制定して学問への迫害が起こっていたことを学生たちは認識していたからです。それが日本でも起ころうとしている。このような認識があったからこそ主体的に闘うことができました。
 学生は国家との関係を認識しながら闘いました。しかし京大法学部を除く教授たちは「学問の自由」すら掲げず沈黙を決め込みました。その結果としてこの闘争が敗北しました。法学部教授陣は辞職し、小西総長も辞職。つついて成立した総長ー法学部長体制下で事件の収拾が図られ、教室を使った学生集会が禁止されてしまいます。その後も出版活動などは行われましたが、現場での闘争に敗北したことは、やはり来るべき破局の予兆となったわけです。

 ところで現代ではフランスで昨年11月のテロをきっかけに緊急事態が発令され、常に町中に警察がうろうろするというパフォーマンスでもって市民に対する恐怖政治(terrorism)が行われています。そして労働法制の改悪が労働者を襲います。しかしフランスの労働者、そして学生もストライキに立ち上がっています。フランスだけではありません。世界中で反乱が起きています。この歴史的な状況の中で、日本に居る人はどうするのか。やはり戦前と同じように問われています。滝川事件は経験済みです。戦後大学人はこのときに何もしなかったことを後悔しました。
 しかし、今の京大を見ているとまったくそういった危機感が感じられません。いったい京大は70年間何をしてきたのでしょうか。敵と思いながらも、その死滅する姿を悲しまずにはいられません。
 
 次の記事では感傷も無くゴシップ的にこのビラについて書こうと思います。

過激派注意
2016-04-08(Fri)

学部式辞

今年度学部入学式での山極総長の式辞です。

 本日、京都大学に入学された2,997名の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。ご列席の理事、副学長、学部長、部局長、および教職員とともに、皆さんの入学を心よりお祝い申し上げます。同時に、これまでの皆さんのご努力に敬意を表しますとともに、皆さんを支えてこられましたご家族や関係者の皆さまにお祝い申し上げます。

 ここ京都は、三方を山に囲まれた盆地で、京都大学はその東の端に位置し、近くに吉田山や大文字山が望める風光明媚な場所にあります。この季節は、さまざまな木々が芽吹き、新緑が山々を彩ります。人々はこの鮮やかな色彩に心を躍らせ、新しい学びの場や職場でそれまでに蓄えてきた気力や体力を発揮して活動の舞台に臨むのです。本日入学式にお集まりいただいた皆さんも、この春の季節の明るい光とみずみずしい風に乗って、新しい活躍の舞台に上がろうとされているのだと思います。京都大学はそれを心から歓迎すると同時に、皆さんがこの京都大学で世界に向かって羽ばたく能力を磨いていただくことを願っています。

 さて、京都大学はその基本理念として自由の学風を謳っています。基本理念の前文では、「京都大学は、創立以来築いてきた自由の学風を継承し、発展させつつ、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献するため、自由と調和を基礎に、ここに基本理念を定める。」とあります。自由とは、自由の学風とは何でしょうか。京都大学の前身、京都帝国大学の創立は1897年ですが、その創設に大きく関わった人物に、当時文部大臣であった西園寺公望がいます。彼は、「政治の中心である東京から離れた京都に、自由で新鮮な発想から真の学問を探求する学府」を作るという希望を述べています。西園寺は、若いころに9年間フランスへ留学していますが、本学の初代総長になった木下廣次も4年間パリ大学に留学しています。木下は、「自重自敬」という言葉を京都大学の理念としていますが、創設に関わった二人の考えはフランスの自由思想に基づいていたと思われるのです。

 ご存知のように、3色に染め抜かれたフランス国旗の青は自由、白は平等、赤は博愛を意味します。18世紀末のフランス革命の際、パリ市民軍の帽章に用いられた3色の色を国旗にしたのですが、青の自由はジャン・ジャック・ルソーの思想に基づいています。すなわち、個人の自由と権利を尊重し、社会における個人の自由な活動を重んずる考え方です。ちなみに、京都大学のスクールカラーは濃青、濃い青で、東京大学は淡青、淡い青です。これは1920年に行われた両大学のボート部における第1回対抗戦の際、イギリスのオクスフォード(濃青)とケンブリッジ(淡青)のスクールカラーにちなんだとされており、自由とは直接つながってはおりません。ただ、少なくとも京都大学の創設に当たっては、西園寺と木下はフランスの自由主義を重視していたに違いありません。つまり、そこには個人の自由という発想が根幹を成していたと思われるのです。

 しかし、自由というのは簡単に得られるわけではありません。そもそもルソーは、自然状態の人間に社会を前提としていませんでした。自分の欲望だけに忠実な存在から、契約を通していかに社会が立ち上がってきたかを考えたのです。それを理想としたフランス革命は、多くの同志を断頭台へ送る結果となり、その後フランスは過酷な戦争に明け暮れました。個人の自由とは自分だけで定義できず、他者から与えられるものであるからこそ、人間の作る社会には多くの矛盾と葛藤が生まれるのです。その他者とは誰なのか。個人の自由が及ぶ範囲はどこなのか。その答えをめぐって、世界は苦悩し、各地で戦争が繰り広げられました。第二次世界大戦でドイツの占領下にあったフランスでレジスタンス運動に奔走したポール・エリュアールは、「自由」という21節からなる詩を発表しました。その最初の節は、



Sur mes cahiers d'écolier
Sur mon pupitre et les arbres
Sur le sable sur la neige
J'écris ton nom

わたしの学習帳のうえに
わたしの机のうえ、そして樹木のうえに
砂のうえ、雪のうえに
わたしは書く、あなたの名を

最後の節は
Et par le pouvoir d'un mot
Je recommence ma vie
Je suis né pour te connaître
Pour te nommer

Liberté

そして、ひとつの言葉のちからによって
わたしは、わたしの生をふたたびはじめるのだ
わたしは生まれたのだ、あなたを知るために
あなたの名を呼ぶために

自由(Liberté)



 このLiberté自由という言葉は、フランス人にとって特別な、そしてこの上なく美しい響きをもっているようです。この詩は、人間にとって決してあきらめてはいけない希望が自由であること、そしてそれは言葉によって生まれ、保障されるということを語っているように聞こえます。たしかに、それは真実だと思います。しかし、社会は言葉によってできたわけではありません。動物にも社会があり、複数の個体が秩序を持って共存していることを発見し、主張したのは、第二次世界大戦直後に京都大学で生まれた霊長類学でした。創始者の今西錦司は、人間の社会と動物の社会は進化の中で連続していることを説き、動物の社会を成り立たせている原理から人間の社会が創られた進化の過程を描き出す重要性を強調しました。弟子の伊谷純一郎は、ルソーの「人間不平等起源論」に疑義を唱え、サルの段階ですでに先験的な不平等による社会が成立しており、人間の社会はその不平等の上に条件をつけて平等を実現させようとしたという仮説を立てました。わたしはそこに、自由は勝ち取るものではなく、他者との共存を希求するなかで、相互の了解によって作られるもの、という発想を読み取れると考えます。自由にとって、平等と博愛は不可欠な条件ではありません。しかし、人間の社会には、これらの3つの精神が必要なのです。そして、言葉はこれらの精神を謳いあげるとともに、人々を傷つけ、自由を束縛し、不平等を正当化する武器ともなります。現代の社会で起こっている抑圧や虐待は、この言葉に発する暴力によっているといっても過言でありません。

 日本国憲法にも、これらの精神が謳われています。11章103条からなる日本国憲法のなかに、自由という言葉は11回登場します。前文には、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」と述べ、第14条では、「すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と明記しています。学問については、第23条で「学問の自由は、これを保障する」と謳っています。では、「学問の自由」とは何でしょうか。それは、「考える自由、語る自由、表現する自由」だと私は思います。京都大学は、「多様かつ調和のとれた教育体系のもと、対話を根幹として自学自習を促し、卓越した知の継承と創造的精神の涵養につとめる」ことを伝統としています。自学自習とは、ただ講義を聞くだけでなく、自分で考えるだけでなく、多くの人々と対話をするなかで自分の考え方を磨くことを意味し、その上で創造性に満ちた新しい発想を世に出すことが求められているのです。まさにこれは、「思考力、判断力、表現力」を自由の名のもとに鍛える学びの場であるということなのです。京都大学はその学びの場を提供するとともに、自由の学風のもと、多元的な課題の解決に挑戦し、地球社会の調和ある共存に貢献すべく、質の高い高等教育と先端的学術研究を推進してきました。これまでに9人のノーベル賞と2人のフィールズ賞をはじめとする数多くの国際賞の受賞者を輩出してきました。これは、京都大学が世界をリードする研究を実施してきた証です。これからも学問を志す人々を広く国内外から受け入れ、国際社会で活躍できる能力を養うとともに、多様な研究の発展と、その成果を世界共通の資産として社会に還元する責務を果たしていこうと思います。


 私は京都大学が歩む指針としてWINDOW構想を掲げています。大学を社会や世界に通じる窓として位置づけ、有能な学生や若い研究者の能力を高め、それぞれの活躍の場へと送り出す役割を大学全体の共通なミッションとしたのです。大学の教育とは知識の蓄積と理解度だけを向上させるものではなく、既存の知識や技術を用いていかに新しい発想や発見が生み出されるかを問うものです。その創造の精神を教職員と学生が一体となって高めるところにこそ、イノベーションが生まれるのです。すべての学生が同じ目標に向かって能力を高めてもイノベーションには結び付きません。違う能力が出合い、そこで切磋琢磨する場所が与えられることによって、新しい考えが生み出されていくのです。京都大学は単に競争的な環境を作るのではなく、分野を超えて異なる能力や発想に出会い、対話を楽しみ、協力関係を形作る場を提供していきたいと考えています。そういった出会いや話し合いの場を通じてタフで賢い学生を育て、彼らが活躍できる世界へ通じる窓を開け、学生たちの背中をそっと押して送り出すことが、私たち京都大学の教職員の共通の、夢であり目標なのです。

 その窓にちなんで、WINDOWという標語を作りました。WはWild and Wise、すなわち野生的で賢い学生を育てようという目標です。IはInternational and Innovative。国際性豊かな環境の中で、常に世界の動きに目を配り、世界の人々と自由に会話をしながら、時代を画するイノベーションを生み出そうとする試みです。NはNatural and Noble。京都大学は、三方を山に囲まれた千年の都に位置し、自然や歴史の景観に優れた環境にあります。昔から京都大学の研究者は、これらの豊かな環境から多くの新しい発想を育んできました。哲学の道を散策しながら練り上げられた西田哲学、北山登山から生まれた霊長類学など、世界に類のない新しい発想や学問を生み出してきたのも京都のこうした環境によるところが大きいと言えましょう。DはDiverse and Dynamic。グローバル時代の到来で、現代は多様な文化が入り混じって共存することが必要になりました。京都大学は多様な文化や考え方に対して常にオープンで、自由に学べる場所でなければならないと思います。一方、急速な時代の流れに左右されることなく、自分の存在をきちんと見つめ直し、悠久の歴史の中に自分を正しく位置づけることも重要です。OはOriginal and Optimistic。これまでの常識を塗り替えるような発想は、実は多くの人の考えや体験を吸収した上に生まれます。そのためにはまず、素晴らしいと感動した人の行為や言葉をよく理解し、仲間とそれを共有し話し合いながら、思考を深めていく過程が必要です。また、失敗や批判に対してもっと楽観的になり、それを糧にして異色な考えを取り入れて成功に導くような能力を涵養しなければなりません。最後のWはWomen and Wish。これからは女性が輝き、活躍する時代です。今日入学したみなさんの681名が女性であり、これは全入学生の約2割にあたります。女性が増え、女性からの発想や観点によって新しい研究が始まれば、世界は変わります。京都大学はこれから、勉学に打ち込める環境作り、女性に優しい施設づくりを実施していきます。

 本日、京都大学に入学された皆さんのすべてが、この6月から選挙に参加できるようになりました。これまで20歳以上の国民に与えられていた選挙権が、公職選挙法の改正により18歳まで引き下げられたのです。皆さんは自分の置かれている環境に対し、その是非について、その政治的判断について、自ら票を投じて参加できるようになったのです。それはとても大きな変化だと思います。京都大学の時計台にある迎賓室には、「学徒出陣図」と題する須田国太郎画伯の絵が掛けられています。須田は京都大学文学部を卒業後、絵画の道を志してヨーロッパに学び、京都大学の学生が召集されて出陣する場面を描きました。それは1943年11月20日のことで、快晴の比叡山を遠望して学生たちが行進するさまを、須田は実に暗い色調で描きました。この戦争で京都大学から4,500名に上る学生が入隊し、文系の学生はそのうち9割近くを占めました。264名の学生が戦没者として確認されています。当時、選挙権は25歳以上の男子と定められており、多くの大学生には政治に参加する資格が与えられていませんでした。20歳以上の男女に選挙権が与えられたのは戦後1946年であり、日本国憲法が公布されたのはその後のことです。学徒出陣に参加した学生たちは自分たちの意思ではなく、上の世代の決定によって戦争に駆り出されていたのです。このことはしっかりと心に留めておかねばなりません。皆さんはこの6月から選挙に参加するとともに、日本の政治の方向性について大きな責任も生じるということを忘れないでください。皆さんの意思によって、揺るぎなき未来を築くために確かな一票を投じてください。

 現代は国際化の時代といわれます。多くの国々から大量の物資や人々が流入し、日本からも頻繁に出て行きます。自然資源に乏しいわが国は先端的な科学技術で人々の暮らしを豊かにする機器を開発し、次々にそれを世界へと送り出してきました。海外へと進出する日本の企業や、海外で働く日本人は近年急激に増加し、日本の企業や日本で働く外国人の数もうなぎのぼりに増加しています。そうした中、大学ではグローバル化した社会の動きに対応できる能力や国際的に活躍できる人材を育ててほしいという要請が強まっています。これから国際的な交渉の場で力を発揮するには、日本はもちろんのこと、諸外国の自然や文化の歴史に通じ、相手に応じて自在に話題を展開できる広い教養を身につけておかねばなりません。理系の学問を修めて技術畑に就職しても、国際的な交渉のなかで多様な文系の知識が必要になるし、文系の職に理系の知識が必要な場合も多々あります。世界や日本の歴史にも通じ、有識者たりうる質の高い知識を持っていなければ、国際的な舞台でリーダーシップを発揮できません。京都大学は、全学の教員の協力のもと、質の高い基礎・教養教育の実践システムを組み上げてきました。学問の多様性や階層性に配慮し、クラス配当科目やコース・ツリーなどを考案し、教員との対話や実践を重視した少人数セミナーを配置しています。外国人教員の数も大幅に増やし、学部の講義や実習も英語で実施する科目を配置しました。博士の学位を取得して、世界で実践的な力を振るえるように、5つのリーディング大学院プログラムを走らせています。この4月には先端的な学術ハブとして高等研究院を立ち上げ、京都大学の学問を通して全世界にネットワークを広げることにしました。

 このように、京都大学は教育・研究活動をより充実させ、学生の皆さんが安心して充実した生活を送ることができるよう努めてまいりますが、そのための支援策として京都大学基金を設立しています。本日も、ご家族の皆さまのお手元には、この基金のご案内を配布させていただいております。ご入学を記念して特別な企画も行っておりますので、ぜひ、お手元の資料をご覧いただき、ご協力をいただければ幸いです。

 皆さんが京都大学で対話を駆使しながら多くの学友たちとつながり、未知の世界に遊び、楽しまれることを願ってやみません。

 ご入学、誠におめでとうございます。
プロフィール

京都大学同学会中執

Author:京都大学同学会中執
京都大学全学自治会同学会の中央執行委員会で運営する、オフィシャル中執blogです。
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告示第五号、第四号について
2012年~再建過程について
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